「執拗さが表れている」約60kmの距離、5時間14分の待ち伏せ時間…世田谷ストーカー殺人事件を犯罪心理学者が分析

(2/3) 記事の先頭へ戻る

 これらの数字から何を読み取ることができるのか。犯罪心理学者の出口保行氏は「見て分かる通り、かなり執拗にしつこくやっている。多くのストーカー犯罪を心理分析していた立場からしてみると、この中で注目すべきなのは、やはり成田から自宅付近まで戻る60 kmという物理的な距離。これは大きな着目点になる」と指摘。

「60 km物理的な距離が離れている、それだけ時間もかかるということ。その間に、自分が今しようとしていることを自分の中で内省する時間が当然あったはずだが、特にこういうストーカー行為を行う人間というのは非常に視野が狭まっている。この視野狭窄状態の中で行動をしていくから、自分を振り返ったり、自分の今の行動が次に何につながるのかということ、そこら辺を正確に見ることができない」(出口氏)

 さらに「プラスその下の5時間14分。これぐらい待つ人間はもちろんいるが、5時間14分待つとなったら、これは普通ではない。1〜2時間待つストーカーはいる。ただ、60km移動してさらに5時間14分待つ、この数字というのが飛び抜けて距離も長いし時間も長いというのが、この犯人の執拗さの表れ」と続けた。

 視野狭窄はどのような段階を踏んでいくのか。出口氏は「基本的には徐々に狭まっていくもの」と前置きしつつも「ある程度時間は短時間のうちに狭まってしまう。なので自分のことを正確にきちんと考えるということができなくなってしまう。ハタと考えてみれば『そんなことやったらおかしいでしょ』ということを当然本人もわかる。だけど、その時点ではそういうことがまったく頭の中によぎってこない。相手をどうやってアタックするのか、ということだけに注力してしまうというのが特徴的なこと」と解説。

 殺意が芽生えたタイミングについては「基本的にこういう事件の場合は、ある程度殺意が芽生えるのは早い。相手に対して、自分の言うことを聞かせることがまず第一で、言うことを聞かなかったら相手を殺害することまで視野に入れて行動していることが多いので、そういう面ではストッパーがかからない状態でずっと突っ走っていた、というようなことは言える」と推察した。

「常識を乗り越えてくる」
こんな記事も読まれています
この記事の写真をみる(9枚)
このまま画像を見る
続きは広告を見た後にご覧いただけます
クリックして広告を見る