“古謝旋風”のカギは「沖縄の本土化」? 知事選で若者が保守を選んだ背景と「対立構図」からの脱却

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■古謝氏は「復帰後生まれ初の主要候補」

沖縄県名護市議会議員の嘉陽宗一郎氏
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 古謝氏圧勝の要因について、古謝氏を支援した沖縄県名護市議会議員の嘉陽宗一郎氏は、「基地問題は重要だが、それ以外の暮らしや経済をどう良くするのかに関心が広がった」と分析。物価高など生活に直結する問題がある中、県民所得を上げたいという古謝氏の訴えが広がり、「対立の構図に閉塞感がある中で、若い知事に託したいという期待感があったのではないか」と語った。

 一方、玉城氏に投票した一橋大学大学院特任講師の元山仁士郎氏は、「県民が基地問題を諦めたわけではない」とした上で、これまでは「基地7:経済3」だった比率を「6対4や5対5など、生活を重視する選択だったのではないか」と推測した。さらに世代間の差について、「復帰前の世代は、激しい運動を経て日本国憲法の下で豊かになる夢を見ていた。しかし、今の若い世代は米軍統治の過酷さを直接感じなくなっており、温度差が生まれている」との見方を示した。

 フリーライターの島袋龍太氏は、古謝氏が「復帰後生まれ初の主要候補」であった点が大きいと指摘。「これまでは復帰前や戦前生まれの候補が多く、若い世代には自分と同じ世代を選ぶ選択肢すらなかった」と述べ、同世代の候補が登場したこと自体が若者支持の大きなきっかけになったと分析した。

 さらに議論が深まる中、元衆院議員の山尾志桜里氏は、玉城氏の敗戦の弁に触れ「『本土と対抗する非力な私たち』という自己認識そのものを変えたいという思いが、復帰後世代にあったのではないか」と指摘。これに対し嘉陽氏も「国や政府対沖縄という対立の構図に、若い世代の共感は集まらなかった。主張すべきは主張しつつ、協力できるところは協力する感覚に近い」と頷いた。

 また島袋氏は、90年代以降に沖縄出身者が全国で活躍し、県外からも好意的に受け止められる環境で育った世代の感覚にも言及。学校で歴史を学んでも「知識としてはあっても実感として伴わない」と述べ、全国のテレビを見て育ったことによる「上の世代との必然的なギャップ(溝)」があると紐解いた。

 これに対し元山氏は、沖縄出身者が県外で活躍することや、自ら地域を盛り上げようとする気概は認めつつも、「基地問題を巡っては、もう圧倒的に国と県との権限が違いすぎたりだとか、県知事が本当に反対したり、あるいは自分自身も取り組んだ県民投票とかをやっても止められないっていう風な状況」と指摘。その上で、経済重視へとシフトする中で基地問題をめぐり政府へ要求していくことが難しくなるのではないかと懸念を示した。

■「3000億円」の振興予算と沖縄経済の自立
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