■本当に日本で進む?普及を阻んできた「壁」と「リスクへの捉え方」
世界で実用化が進む中、なぜ日本は遅れてきたのか。下山氏は新技術導入における「手段の目的化」を指摘。アメリカなどが普及後の未来から逆算して資金を投じるのに対し、日本は実証実験そのものが目的になりがちだと批判した。例として、道路に設置したセンサーなどを頼りに、決められたルートを走る自動運転バスの実験に触れ、「日本中にレールを敷き続けることなど不可能なのに、他自治体より早く実験実績を作りたいがために予算が使われていた」と振り返った。
さらに最大の壁として「リスクへの捉え方の違い」を挙げた。テスラの自動運転モードは、ドライバー責任の下でシステムが運転支援を行う「レベル2」に当たる。下山氏は、このモードの作動中に死亡事故が起きたケースがある一方、テスラは販売を継続していると説明。 日本であれば事故を受けて「まずすぐ止めよう、イコール販売停止」となりかねないとし、この差が約7年の社会実装の遅れを生んでいると解説した。
制度面や過去のトラブルも開発の足を引っ張った。自民党の小林史明衆院議員は、東京五輪の選手村で自動運転車が接触事故を起こした際、警察が介入したことが自動車メーカーにとってトラウマとなり、技術のリリースを遅らせる原因になったと説明。小林氏は「警察ではなく、航空機や鉄道のように国土交通省の『運輸安全委員会』が事故原因を究明し、データを蓄積していく仕組みづくりが必要だ」と提言した。
■日本は「後からまくっていく」…事故率を%で示す重要性
