■財源なき増額への疑問と「米国の思惑」
一方、新外交イニシアティブ(ND)事務局長の巖谷陽次郎氏は、防衛費増額のプロセスについて、日本国内で議論を積み重ねた結果ではなく、アメリカからの要請が大きく影響しているとの見方を示した。2020年のトランプ政権下で当時のエスパー国防長官から同盟国などに防衛費を「GDP比少なくとも2%」に増やすよう求められたことについても触れ、その後日本国内でも防衛費増額がイシュー化(争点化)したと指摘。今回の3.5%という数字についても米国のNATOに防衛費増額を求めてきた流れが日本にも波及しているとの見方を示した。
また、財源の不透明さについても懸念を表明。2%への引き上げ段階でさえ増税議論や戦後避けてきた防衛費への国債充当が行われている現状に触れ、さらなる増額に対してどのような財源を充てるのかをきちんと議論する必要があると訴えた。
米国が日本に防衛費増額を求める背景について、高橋氏は対中国の軍事バランスを挙げた。米国単独では世界各地への対応で限界があり、当事国である日本や台湾、韓国がまず一義的な責任を負うべきだという米側の思惑があるとした。同時に、米中の艦船数が10対7である場合、米軍が半分を東アジアに割けば5対7となるが、日本がこの差である「2」を埋めれば7対7となり、抑止につながるとの考えを示した。
■軍拡は戦争を招くか? 問われる「外交」の実効性こんな記事も読まれています

