■軍拡は戦争を招くか? 問われる「外交」の実効性
防衛力強化をめぐり、巖谷氏は「安全保障のジレンマ」に警鐘を鳴らす。自国を守るための軍拡が他国の恐怖を煽り、相互の軍拡競争を加速させてしまうリスクだ。巖谷氏は過去の学術研究を引いて軍拡競争が戦争へ発展する割合の高さを示し、中国の軍事費が額自体は大きいもののGDP比では比較的低い水準にあると指摘。日本については、GDP成長率が低い中で防衛費のGDP比を2%、さらに3.5%に引き上げていくことについて「いかにちょっと異常かっていうのを考えたい」と疑問を呈し、その上で、常設の枠組みを通じた対話による外交的解決の模索を提言した。
これに対し高橋氏は、学術データの扱いや欧州の事例を挙げて反論した。軍拡データに関しては、元々の政治的対立から戦争の予兆を感じて軍事費を増やした結果として戦争に至ったケースも多く、軍事費の増加と戦争の因果関係を単純化すべきではないと指摘した。
さらに欧州の常設外交機構(OSCE)についても、OSCE発足後にボスニアやウクライナなど加盟国の中で紛争が相次いだと指摘。一方、アジアでは「朝鮮半島や台湾海峡があるのにもかかわらず、冷戦が終わってから戦争は起きていない」とした。さらに欧米からよく聞くという『OSCE至上論』に対しても、「自分たち(欧州)は平和を維持できていないではないかと指摘し続けている」と述べ、常設の外交枠組みさえあれば平和が保たれるという見方に疑問を呈した。
(『ABEMA Prime』より)
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