■「前代未聞のボイコット」――米中会談の現場で何が起きたか
ワシントンを拠点に日本メディアとしてホワイトハウスを長年取材してきたジャーナリストの阿部貴晃氏は今回の主要局の動きについて「前代未聞のボイコットと言っていい」と語る。米中首脳会談は取材する側にとっても「やりがいのある大きなイベント」であるにもかかわらず、ボイコットは実行された。これはあくまでトランプ大統領によるメディア取材禁止への対抗手段として取られたものだと説明する。
政治学者のロバート・エルドリッヂ氏は、映像の質そのものよりも、ボイコットがもたらす構造的な影響を指摘する。「困っているのは視聴者だ。トランプは(ボイコットについて)そこまで気にしていないのではないか。いずれにせよこのボイコットは成功しないだろう」と述べ、メディアがトランプ大統領の“罠”に入り込んでしまっていると見る。「ボイコットすればするほど、国民はインターネットの方にどんどん流れていく。オールドメディアからの離反がさらに加速する」というのが同氏の見立てだ。
また阿部氏は、締め出しの根拠についても疑問を呈する。ホワイトハウス側はCNNに対し、ホワイトハウス内のシェルターに関する極秘情報の開示や、迎撃ミサイルを80%使い果たしたとする誤った安全保障情報を報じたことを問題視したとしている。しかしポリティコについては「裁判資料を見ると、トランプ大統領が出席した共和党大会の雰囲気が悪く、人が少なかったという報道が問題視されている。それが国家安全保障と何の関係があるのか」と首をかしげる。
■「トランプの不満が国民の不満でもある」――メディアへの問い
