■「ラッキーな人はいいよね」で終わらないために
同性パートナーとの“弁護士夫夫”で法律事務所を開く南和行氏は、現在のLGBTQ活動について思いを語る。「昔はパレードで心が晴れやかになり、ゲイナイトに行けばリラックスできる場所があると希望が見えた。しかし今は『ラッキーな人はいいよね』と思われる場になっている気がする。事務所には『明日死ぬ』というような当事者からの相談の電話がかかってくる。目の前のアンラッキーな人に光が射すような活動になってほしい」。
杉山氏はこれに対し、「『1割の当事者だけでなく、9割の非当事者の意識が変わらなければ社会は変わらない』という思いでやっているが、『当事者が置き去りにされている』と言われてしまう」と応じる。「パレードの2日間では物理的限界があるため、マンス(月間)にした。日常の困りごとを解決するために、『Queer Space Tokyo』というコミュニティスペースの運営も始めた」。
東京都港区議の斎木陽平氏は「自分がゲイだとカミングアウトしていなかった時、企業まで応援していると知って、自分らしく生きられるかもしれないという希望があった。その価値は揺るぎない」と語る。
コラムニストの小原ブラス氏は「いろいろな人を巻き込むために、主張がほんわかしている印象を受ける。次のフェーズでは、具体的に何を主張しているのかをもっとアピールしていく必要があるのではないか」と指摘する。
レズビアンである大内アイミ(午前0時のプリンセス)は「言えなかった時期は暗闇にいる感覚だった。無理にカミングアウトしなくてもいい。私たちの活動や言葉から何か“すべ”になるものを見つけて、自分の環境の中でどう生きていくかを考えてほしい 」と述べた。同ユニットで、ジェンダーレスクリエイターの聖秋流(せしる)は「生きづらいかもしれないが、自分の人生を一番楽しんでほしい」と語った。
最後に杉山氏はこう締めくくった。「『言わない』と『言えない』は全然違う。政治家も、弁護士も、店長も、タレントも、学校の先生も、お父さんも、お母さんも、いろんなところに当事者がいて、それぞれの役割を全うして一社会人として暮らしていく。自分の選択肢が増えていくのが豊かな社会だ」。
(『ABEMA Prime』より)
この記事の画像一覧
