■「いじめられづらい子ども」を育てるには?
いじめの発生を防ぐ新たなアプローチとして、エッセイストの下田美咲氏は、SNSへの投稿を機に大きな話題を呼んでいる「いじめられづらい子どもを育てる」という自衛策を提言する。下田氏は、加害する子どもについて「元被害者だったり、今も何かの被害に遭っている子どもが多いと思う」とし、不遇な思いの積み重ねによる憂さ晴らしや八つ当たりで「サンドバッグ」を選んだ結果がいじめだとの見方を示した。さらに「子ども社会は治安が悪いという前提に立ち、教育だけでいじめる側をコントロールすることは難しいため、ターゲットにならないよう防御力を高めることが現実的だ」と主張した。
具体策として、いじりやからかいの初期段階で「嫌だ」とハッキリ意思表示し、相手のノリを盛り上がらせないことが重要だという。下田氏は「加害者にとって『逆にめんどくさい奴だな』と思わせることができれば、憂さ晴らしのサンドバッグとして成立しなくなる」と語る。「自分が嫌だと感じていることは言葉にしないと相手に伝わらない」とし、「いじめてくる相手が100%悪い」と日頃から伝え、子どもが何でも相談できる関係性を築く大切さを強調した。
また家庭での相談環境について、下田氏は2人きりでの外食や、お風呂、寝かしつけの消灯後など、子どもがぽろっと本音や愚痴をこぼしやすいシチュエーションを作ることが有効だと明かした。
この予防的観点に須永氏も同意しつつ、思春期に入ると親への相談率が激減する現実に言及。「親以外の信頼できる大人や『斜めの関係』を複数持たせておくことが、いざという時のお守りになる」と助言した。
大石氏も「『あなたはいじめられていい存在ではない』と伝え続けることが大切だ」とした上で、「片方だけが笑っているのはいじめ、お互いに笑い合えるのが遊び」という明確な違いを小さいうちから教えていく必要性を訴えた。
■境界線の難しさと、「いじめ防止法」運用への危機感
