■「妻としての役割」からの解放——同居離婚が選ばれる背景
同居離婚が増えている背景について、株式会社笑下村塾代表のたかまつなな氏は「奥さん側が妻としての役割を社会からすごく求められる。地方に行くと『〇〇さんの奥さんはなぜ来ないのか』『〇〇さんの奥さんはこれをやるべきだ』というのがしんどくなって、旦那さんとの関係は変わらなくて、子どものことも大事にしたいけど、『妻として』を終えたい、というのはよく聞く」と指摘する。
同居したままでも“妻”という役割が消えるのかという疑問に対し、たかまつ氏は「それは言い訳できる。もう旦那じゃないからとか、別々なんでって言えるのが大きいんじゃないか」と述べた。
作家の佐々木俊尚氏は、より大きな社会変化の視点からこう分析する。「結婚というワンパッケージ、恋愛と経済と子育てが一緒になったもので世界中の社会が維持されてきたが、それがワンパッケージじゃなくて良くなってきている。夫婦というものが変わりつつあって、外から見ると異様な夫婦だけど、もはや多様性の一つだよねという関係性が出てきていて、時代としてそういう感じに来ているのかな」と語る。
この日MCを務めたメルカリ AI strategyのハヤカワ五味は経済面にも言及し、「女性も稼ぎがあって、場合によっては女性の方が稼ぎが多いとなってくると、既存の結婚制度って利用する価値があるのかという話もあるだろうし、なぜ別居しないかと考えた時に、都市部は家賃が高すぎる。だから現実的に考えて別で住む必要もないよね、ということが特に都市部で大きいような気がする」と述べた。
齋藤弁護士も経済的背景を認め、「お子さんがいらっしゃらないケースでも、離婚するにあたって一番大きいハードルである“別居”を選ばないご家庭は増えている。物価高なども大きな要因だ」と説明する。
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