■人為的な影響で起きる温暖化、どうペースダウンさせる?
こうした変化が人為的なものかという問いに対し、山口氏は「地球温暖化の影響によるものが大きく、CO2をはじめとする人為的な排出量の増加によって地球から熱が出ていきにくくなり、どんどん蓄えられている。影響はかなり大きい」と述べる。
record1.5代表で慶応大学3年の山本大貴氏は、気候変動に危機感を抱き、大手電力事業者10社に対して1.5度目標に沿った排出削減対策を求める若者気候訴訟を2024年に名古屋地裁で提訴した原告の一人だ。「ネパールの人たちは、CO2排出量が(世界排出量の)0.0何%という水準なのに甚大な被害を受けている。より責任を負う人たちが存在していて、化石燃料を今のまま使い続けようとするシステムや企業の方針が遅れているということを伝えていかなければいけない」と話す。
経済学者・柿埜真吾氏は「気候変動に人為的な影響があるのは間違いなく、対策を取ることは非常に重要だ。ただ、何でもかんでも地球温暖化のせいと結びつけるのは慎重であるべきで、科学的なコンセンサスに基づいてやらなければいけない」と指摘する。また「電力会社が我々の意思に関係なくCO2を排出しているわけではなく、結局我々が電気を使っている。火力や原子力を使うなとすればコストが上昇する。そのトレードオフがあることは忘れてはいけない」と指摘する。
リディラバ代表の安部敏樹氏は「温暖化を抑えることは大事だが、1.5度上がるのはしょうがないという前提でもある。上がった時にどんな社会設計が必要かも、同時にやっておいた方がいい」と述べ、漁場の変化に伴う漁業権の再配分を例に挙げながら「温暖化するのだから、それに対してどういう制度が対応できるのかというルートも用意しておいた方がいい」と主張した。
山口氏も「人間が対応するスピードより自然の変化の方が早いから危機だと感じている。緩和と適応、両方を真剣に考えていくことが非常に大事だ。人間は賢いと思っているので、考え方を変えることで十分適応できるのではないか」と語る。
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