■当事者が語る依存の泥沼と、現実の“現場”が持つ本来の魅力
実際にアダルトコンテンツへ過剰に依存し、現実のパートナーシップに支障をきたした経験を持つ当事者もいる。自身の体験を基に発信活動を行うアイビー氏は、過去の過度な視聴習慣を振り返り、当時は毎日仕事の前後や空き時間にも見ずにはいられない状態だったと語る。しかし、いざ現実のパートナーと向き合った際、画面越しの強い刺激に慣れすぎてしまっていたためか、性的興奮を感じられず「ショックだった」と振り返った。
アイビー氏はその後、長期間にわたってコンテンツの視聴を完全に断つ「ポルノ断ち」を実践。徐々に感覚が正常化し、自らの足で現実の出会いを求め、対話や試行錯誤を重ねる中で信頼できるパートナーと深い関係を築けるようになったと明かした。
一方で、長年作品に関わってきた元セクシー男優のしみけん氏は、アダルトコンテンツが少子化を招いているという説について、月刊誌の対談で「陰謀論」と主張。ただし番組では「そこだけ切り取られると思っていなかった」とした上で、論文を読んだ感想として「性行為が減ったからといって、少子化とイコールなのか」と疑問を呈した。 また、コンテンツを活力に変えて現実の努力に結び付ける人も多くいるとした上で、デジタルな過剰刺激に対する自己管理の重要性を訴える。
ワンタップで過激な刺激が手に入る時代だからこそ、視聴時間を限定するなど自分の中でルールを作って脳をコントロールしていく工夫が必要だとしみけん氏は話す。また、作中で描かれる世界はあくまでエンターテインメントでありファンタジーであって、それを現実の性や人間関係の教科書と思い込んでしまってはいけないと強調した。
エッセイストの下田美咲氏も、画面の中の作り込まれた快楽と、現実の人間関係で得られる体験は別物だと指摘する。「人生のハイライトに残るようなセックスもある」とし、アルゴリズムで好みを突き詰めたものが一番の快楽とは限らず、実際の性行為では「思っていたのと違うところで花火がポンとなる」ような予想外の興奮もあるとして、「現場に行ってほしい」と語った。
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