合併症の発生率を把握しにくい現状…リスクを正確に判断するには?
原岡氏によると、失明などの合併症が起きる確率は高くはないとはいうものの、そもそも発生率を正確に把握するのは困難だという。
「美容外科学会をはじめ、業界として反省すべきことになるが、正確に合併症を把握するシステムがなかなか構築できていないという現状がある」
美容外科の施術は、基本的に自由診療。学会(JSAPS)では調査を行ってはいるものの、強制力はないのだ。
「例えば、ヒアルロン酸を1万人の目の周りに注入したら、どれぐらいの割合で合併症が起こるのか。そうした質問には答えることができない」
「患者さんにきちんとリスクを説明した上で手術を行うというのが医療の基本であれば、我々は反省して、きちんと合併症を把握していくシステムを構築していく努力は必要かと思う」
また、こまちクリニックの土井医師によると、重篤な合併症などの事故は、クリニックとの間で示談、もしくは裁判で和解になることもあるという。その際には、「事故を公表しない」という条件が付くことが多いため、ますます実態を把握するのが難しいのが現状だ。
そうした環境の中でも、施術を受ける側がリスクを正確に判断するにはどうしたら良いのだろうか。
「『こうすれば安全ですよ』というような特効薬は存在しないのが現状。患者さんにお願いするというのは、プロとしての矜持を失ったような恥ずかしい話だと思うが、美容外科の情報を安易に信じることなく、きちんとした情報を捕まえる努力をしていただいた上で受けていただく、美容外科リテラシーを上げていただく努力をお願いしたい」
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