■公正取引委員会の調査も…“指定店独占”の弊害
千葉工業大学の福嶋尚子准教授によると、“隠れ教育費”は、元々は義務教育の公立小中学校に通う子どもにかかる保護者負担を指していたが、現在は幼稚園から高校、大学まで、通学に伴う予想以上の高額な費用全般を“隠れ教育費”と感じる人が増えているという。
番組スタッフからも“隠れ教育費”と感じるモヤモヤなアイテムが続出。「子どもが小学生の時に買わされた彫刻刀。双子だから2つ買ったが、その後全く使っていない」「体育で数回しか使わない“柔道着”にモヤモヤ」「市販のTシャツなら500円程度で買えるものが体育着になると2900円もする」。
この“隠れ教育費”について、中室氏は「隠れ教育費は経済学の中で研究対象になっていることも多い。“隠れ教育費”の中で高額な指定品を買えないために子どもが登校を渋り、出席率が低下するという研究結果もある。学校は同調圧力が強いから、みんな同じものを持っている中で自分だけ違うものを持っていると、それは行きづらくなっちゃう。保護者に過度な負担がかかっていないか、そして例えば経済的な事情で全部きちんと揃えられない家庭があった時に、その人たちを救済するような方法がちゃんとあるかはすごく気になる」と懸念を示した。
また、学校指定品の価格が市販品に比べて高額である点について、公正取引委員会が2017年に行った調査を挙げて解説。「公正取引委員会が調べるのはどういう時なのかというと、適正な市場競争が行われていないのではないかという疑いがある時。指定品の金額を見ると明らかに適正な競争が行われているとは言い難い。要するに市販されているものよりもはるかに高い金額で学校指定品は売られている。指定販売店が1店しかなく独占状態にある場合、販売店は価格を下げるインセンティブがないため価格が高く据え置かれやすい」と言及し、「コンペ、入札、相見積もり、それからメーカー指定は本当必要なのか、シャツ、靴下、バッグ、上履きなどは市販品で良いのではないか」と提案した。
その結果、「2023年の調査では学校指定品の平均価格が約7%下がった。やはり適正な競争が重要であり、より安価な市販品で代替できるのであれば、より積極的に切り替えていくことが、この“隠れ教育費”を減らす上では重要だと思う」と指摘した。
自治体による“隠れ教育費”の無償化も…懸念される「ヤードスティック競争」
