AI急進化がもたらす危機 人間の創造性や教育、対人関係に及ぼす影響とは「生活のあらゆる領域にAIが入り込み始めている」

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■論理が「魔法」に逆戻り?AIが解く超難問と人間の思考への影響

生成AIで新たな成果が出たもの
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 EXITのりんたろー。は、「人の英知を超えたものを人間は果たして使いこなせるのかというところもそうだし、難問が解かれてしまったことが、僕たちの生活にどういうプラスがあるのか」と、一般生活者の視点から率直な戸惑いを口にした。

 これに対し、理論物理学者の野村泰紀氏は、数学における難問解決の歴史的意義を引き合いに出し、結論だけが瞬時に得られることの弊害を指摘した。

 「有名なフェルマーの最終定理にしても、それを解くために人間が新しい数学の体系を数多く作り出してきた。その概念や手法が物理学に応用され、工学へとつながり、最終的に現代のエンジニアリング技術を形作っている。問題を解いたという結果そのもの以上に、そこに至る人間の活動こそが極めて重要だった。ところがAIが結論だけを簡単に出してしまうと、人間が自ら作り上げて解いたことによる恩恵が得られなくなり、人間側の研究意欲も失われてしまう」。

 この解説を受け、りんたろー。が「人間の進化や発展そのものを止めてしまう可能性があるということか」と問いかけると、野村氏は「その可能性がある」と同意した。

 AIの影響は、数学や基礎科学の世界にとどまらず、ものづくりや実社会の現場にも及んでいる。京都精華大学名誉教授のウスビ・サコ氏は、自身の専門である建築の分野を例に挙げ、人間が自ら発想する機会が減っていくことへの懸念を語った。

 「建築の現場でも、AIを使うことによって人間の創造性がかなり狭まっている実感がある。AIが過去の膨大な事例を学習して『こういう形が良いのではないか』と勝手に提案してくるため、人間が自ら想像する必要がなくなってしまう。AIは人間よりもはるかに早く、膨大な情報を持っているからだ」。

 その上でウスビ氏は、これからの社会における教育のあり方そのものを転換しなければならないと強く主張した。

 「これまでは解決策(ソリューション)ばかりを求める教育をしてきたが、これからは人間が『問いを立てる力』をどう育てるかが問われている。人間がしっかりとした問いを持つことができれば、AIを使いこなすことができるのではないか」。

 しかし、この「問いを立てる力」すらもAIに侵食される懸念が浮上している。野村氏は「AI自身が自ら問いを立て始める可能性がある」と指摘。AIが目的達成のために自律的に学習を進める中で、人間が課題を設定する余地すら狭まる「全自動研究」のような事態が現実味を帯びているとの見解を示した。

■教員との対話もAI頼み?日常を侵食するAIと一般感覚のギャップ
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