■「職能の可能性が広がる」会社員をしながら地方副業を始めた渋谷さんの事例
かつて大手企業に勤めながら地方副業を行い、現在はフリーランスのクリエイティブディレクターとして、全国各地の仕事を手掛ける渋谷舞さん。地方副業との出会いは3年前に遡る。
「会社員をしながら現地に2週間滞在し、農作業のお手伝いをしたり、地域のプレーヤーの方とお話させていただきながら、自らの仕事に対して何かアウトプットできることはないか、ディスカッションする機会があった」
その縁で、秋田県・にかほ市の人からパッケージデザインの仕事を依頼されたという。これをきっかけに地方との仕事を重ね、現在は独立2年目を迎えた。
「基本的には何社か都市部の会社を中心に業務委託契約しながら案件があれば地域の方と仕事するという感じでやっている」
そんな渋谷さんが今、力を入れているのが沖縄県・那覇市のお土産店作り。「沖縄のお土産をゼロ円で提供することを目指しているIT企業の方と一緒に仕事をしていて、実際今1号店を作っている」。
商品のディスプレイやPOPの見せ方などを指導している渋谷さん。「毎月売り上げが20〜30%ずつ上がっている状態。今月(10月)は過去最高益が出る予定になっている」とその成果を語る。
なぜ地方で副業を始めたのか。「きっかけは『出張に行くのが楽しそう』というのが一つ。『地方のいいものを見つける方が楽しい』と思って」と語る。地元の人にとっては当たり前のものも、外から見ると魅力的に映る。そんな発見を仕事にしたいと考えたという。「自分の目線で純粋に『これ面白いですよ』とか『これって東京ではなかなか見ないですよ』というものを手掛けたい」。
では、会社員時代に本業と副業をどう両立していたのか。「当時(副業)はほとんどリモートワークでやっていることが多くて、イベントの直前になるとバランスを整えようと思って、現地の方の仕事ために(本業は)休みをもらうか、時短にした」と振り返る。フレックスタイム制を活用し、本業の勤務時間を上手く調整。「時間配分としては、短い時は1日2〜3時間から、多い時は1日本業の就業時間プラス6時間とか8時間働いている時もあった」という。
また、前職で培ったマルチタスク能力が役立ったそう。「前の会社がわりとマルチタスクでいろいろな職能を求められたので、『まんべんなくできる』というのがすごく役に立ったと思う」。
デザインだけでなく、企画立案・マーケティング・営業なども経験してきた渋谷さん。「地域に行くと企業規模にもよるが、一人あたりに求められている業務量が広いと思うことがすごく多い。なるべく多くのことをできた方が、その方への指導もできるし、こっちも困ることが減るというか広げられる」。
地方副業のメリットについては「自分の職能の可能性がかなり広がると感じる。『私こんなこともできたんだな』と気付かされる」と語る。そして、仕事以外にも楽しみがあるそうで「地域に出張に行く頻度が上がると、地域の美味しいものと出会えたり、地域の面白い作り手さんと出会えたりするので、できる限りの人に(地方副業を)おすすめしたい」と述べ、「東京にいることで忘れかけていたものに気付けたりもするし、自分の能力が生きることで、地域の企業の成長や伸びしろのすごさを感じることが多かったので、優秀な方々ほど紹介したい。『その能力、150倍ぐらい生きるよ』と紹介したい」と語った。
地方副業マッチングサービスの台頭と本業との両立、求められるスキルは…
