■「巧妙化して見えない場所に移るのでは」 設置への反対・慎重意見
教育評論家の武田さち子氏は、カメラの有効性に強い疑念を示す。「教員が見回りと称して異性のトイレや更衣室に入るなど、言い逃れはいくらでもできてしまう。入り口にカメラを設置しても現場そのものを映せるわけではないため、証拠や抑止力にはならないのではないか」と指摘。また、カメラの設置自体が「子どもを信用していないことの表れ」であり、「常に監視されて『いい子』でいなければならないというストレスが、かえっていじめを生み出す原因になる。教師と子どもの人間関係も希薄化してしまう」と懸念を述べた。
公立中学校の事務職員である栁澤靖明氏も、慎重な姿勢を示す。「これまで勤務してきた小中学校に更衣室はなく、子どもたちは教室で着替えていた。教室に設置するとなれば、誰がどのタイミングでカメラをオン・オフにするのかという問題が生じ、消し忘れて盗撮防止のはずが盗撮になってしまう可能性もある」と実務上の課題を挙げた。
さらに栁澤氏は、学校内の死角をすべて網羅することは不可能だとし、「巧妙化して、いじめがネット空間など見えない場所に移動するだけではないか」と懸念を表明。「カメラがあることでかえって安心し、教職員の意識が低下する懸念もある。カメラだけに頼るのではなく、教職員の数や予算を増やして『人の目』を増やすべきだ」と主張した。
■音声録音の是非と「監視の拡大」への懸念
