「3億5000万円、現金なく借り入れで納付」江戸時代から続く農家12代目が直面した相続税の現実…“普通の家庭”も無縁ではない? 制度の矛盾とは

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■「相続と相続税は分けて考えなければ」300年続く農家が語る現実

老舗農家が直面した相続税問題
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 番組後半では、高額な相続税問題に直面した当事者が登場した。東京・東久留米市で江戸時代からおよそ300年続く農家の12代目、秋田茂良さんだ。

 3年前の令和5年11月に父親が急逝し、相続手続きに入った秋田さん。10年前から相続対策を進めていたが、税理士から資産額の算定が出たのが翌年5月ごろで、納税まで残り5ヶ月しかなかったという。「上がってきた金額が3億5000万円だった。現金がないので金融機関から借り入れをして納付した。先週ようやく全部の返済が終わったというタイミングでこの場に来た」と秋田さんは語った。

 10ヶ月という期限の中で売却を急がざるを得なかった土地の問題も明かした。「農園レストランをやりながら、農園を心地いい空間にしようといろいろ整えてきた。その前の土地が普通に住宅開発されてしまうのはどうしても嫌で、心地いい住宅街にできないかと仲間を集めて活動している。だから土地の整理に時間がかかってしまった」と話す。さらに、対策として進めていた借り入れによる資産圧縮の手法も「人の死のタイミングはわからないので、完成する前に亡くなってしまって、圧縮ができなかった」と振り返った。東京でも有数の規模だったという小麦畑は、開発を余儀なくされた。「近隣の方々がとても親しみを持って見てくださっていた場所が、開発せざるを得なくなった」と秋田さんは述べた。

 農地には「農業を続ければ納税が猶予される」制度があるが、清水氏は「猶予されるだけで免除にはなかなかならない。ある程度続けたら免除するといったことも考えてもいいのではないか」と提言する。また、秋田さんは、農機具置き場など農業に必要な宅地部分には納税猶予が適用されないと説明し、「少なからず農地を売っていかないと続けられないという現状がある」と打ち明けた。

 さらに、2026年には中小企業の自社株評価の見直しが議論されており、今枝氏は「このまま進むと経営者の相続税の負担が5倍、10倍になる可能性があり、地域になくてはならない企業が廃業したり、評価額の上昇を抑えるために投資を控えたりする可能性があり、非常に問題だ」と強く反対の意志を示す。「(高市)総理も緊急に、年末の税調という税を議論する場でゼロベースで議論をしていこうということになっているので、事業承継に問題が出ないようにしっかり改めていきたい」と述べた。

 松陰寺は「日本のほとんどの企業は中小企業で、そういうところが日本を支えていると言いながら、裏ではこういうことが起きている。どっちの方向を向いているのだろうと、行政も含めてわからない」と語り、制度の矛盾を指摘した。

 最後に、秋田さんはこの経験を踏まえた思いをこう語った。「まず、相続と相続税は分けて考えなければいけない。相続というのは、父からのいろんなものを受け継ぐという素晴らしい体験だと思う。でも相続税という現実の問題にどう対策していくかは、別に考えないと、家族の仲が悪くなってしまう」。清水氏もこれに「おっしゃる通りだと思う」と同意を示した。どうしても残したいのは財産ではなく、300年の欅や屋敷林を含めた地域の風景だという秋田さんの言葉が、相続税問題の本質的な難しさを映し出した。

(『ABEMA Prime』より)

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