■ 各省庁への勧告権「抜かずの宝刀にしない」 避難所の抜本改善へ
防災庁の実務を統括する立場として、細野大臣は各府省庁に対する「勧告権」を持つことに言及。「これを抜かずの宝刀にするつもりはない。必要な時にはこの勧告権を行使する」と述べ、「防災庁ができた以上は縦割りは許されず、担当が分からずに課題が抜け落ちるようなことは許されない」と強調し、事前に要請を行った上で、なお必要な場合には勧告権を行使する考えを示した。
また、職員の行動原則の第一に「人命・人権最優先の行動」を掲げ、その象徴として避難所の環境改善に強い意欲を示した。「避難所に自分が入った時にどう考えるか。自分の子どもや両親が避難所に行った時に、その食事で納得できるか、そのトイレを使えるか。それぐらいの意識でやらないと避難所のあり方は変わらない」と指摘した。その上で、温かい食事や清潔なトイレ、ベッド、入浴環境などの確保を急ぎ、国民が「日本の防災が変わった」と実感できる水準を目指すとした。
■ 自治体・各省庁へ異例の初日「緊急要請」
発足初日、細野大臣は国民、都道府県、各府省庁に向けた「緊急要請」を発出した。国民に対して「防災庁ができるから頼ればいいという気持ちが生じれば、むしろ我が国の防災力を大きく損ねてしまう」と呼びかけ、家具の固定や水・食料、携帯トイレの備蓄、ハザードマップの確認などを求めた。
自治体向けには、市町村の格差を補う責任を明確にするため都道府県を要請対象とした。想定避難者数を受け入れる避難所を確保できている都道府県が47中30にとどまる現状や、要支援者の「個別避難計画」の作成率が全国で15.1%にとどまる実態を挙げ、早急な点検と改善を要請した。各省庁に対しても業務継続計画(BCP)の総点検を求め、年末までに進捗報告を提出させた上で公表し、不十分な場合は再要請や勧告権の行使を検討するとした。
■ 首都直下地震のバックアップと激甚化する水害への対応
質疑応答では、首都直下地震が発生した際の防災庁の機能維持について質問が及んだ。細野大臣は、防災庁が入る東京・霞が関の中央合同庁舎8号館の耐震性やBCPを確認済みとした上で、「首相官邸が機能しなくなった場合は8号館で指揮を執り、仮に官邸と8号館が機能しなくなった時には立川の拠点で司令塔として機能させる」と説明。副首都をめぐる議論を見守りつつ、「いかなる状況にあっても現状において最大限の対応ができるようにする」と答えた。
また、相次ぐ大規模水害への対応を問われると、自身が兼任する国土強靱化の枠組みに触れ、「5年間で20兆円の予算を確保して備える体制をとっている」と説明。一方で「水害が増加する中で万全の体制かと言えば、率直に端的に申し上げてまだまだ十分ではない」と率直に課題を認めた。「防災庁ができた以上は、事前防災も含めて責任を持って抜本的な体制を作っていく」と述べ、災害対応の強化を誓った。
(ABEMA NEWS)
