■「生身の感情がぶつかり合う」家族間での不機嫌の応酬
「元夫から不機嫌な態度を取られたこともありますし、私自身もしていたと思います。『そっちがその態度なら、こちらも』となって、不機嫌の応酬が止まらなくなることがありました。ただ、誰もが言い返せるわけではありません。言い返せない立場の人は、萎縮するしかなくなってしまいます」
さらに、言葉を使わずに不機嫌を示すことが、相手に負担をかける場合もあると指摘した。
「例えば、相手に向けて不満を示すようにため息をつくと、言葉で何も説明しなくても、相手は『私が悪かったのかな』『あの時のことかな』と、理由をあれこれ考えることになります。ところが、理由を聞いても、ため息をついた本人がうまく言葉にできないこともある。
ため息そのものが悪いということではありません。不機嫌な態度だけを示して、その理由を察してもらおうとしたり、機嫌を取ったりする役割を周りに任せてしまうことが問題なのです。私は『不機嫌さん』より『ご機嫌さん』でいたい。基本的には、自分の機嫌は自分で取るのが、大人のたしなみだと思います」
家族間でこうしたやり取りが生じる背景については、次のように語った。
「他人に対してなら遠慮して言わないことも、家族にはそのままぶつけてしまう。家族だからこそ、生身の感情がぶつかり合って、やり取りが激しくなることがあると思います」
また、夫の機嫌を妻が取るという役割の偏りについて、自身の家族や友人との会話を例に挙げた。
「どうも私の両親を見ていても、母が父の機嫌を取っていると感じることがありました。母も、なぜ父が不機嫌なのか分からない。同世代の友人からも、『夫がなぜ不機嫌なのか分からない』という話をよく聞きます。不機嫌な理由を説明しない側ではなく、その理由を探って気を遣う側が負担を引き受けているのではないでしょうか」と述べ、多くの家庭で今なお同様の悩みが抱えられている実態を語った。
(『わたしとニュース』より)
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