■「年収の差」や「子どもの有無」で感情ケアに違い
互いの感情ケアの度合いは、“夫婦の年収差”などで違いはあるのだろうか。岡田氏は「男女の収入差が小さい、特に妻側の収入が多くて経済力の面で対等性の高い夫婦であればあるほど、そうした家事の分担であったり感情的なケアにおいても対等な形になりやすい」と語る。
夫婦の収入差と感情ケアの関係について、谷口氏は、自身の世代の感覚も踏まえ、背景として考えられることを語った。
「私たちの世代では、妻の収入が高いと、妻が『夫に肩身の狭い思いをさせていないだろうか』と気を遣うことがあります。一方で、夫も『妻も稼いでいるのだから』と相手に配慮する。そうした互いの遠慮や気遣いが、ケアのやり取りにつながっている面もあるのかもしれません。
逆に、収入差が大きいと、『稼いでいる方が偉い』という感覚が生まれ、関係に上下ができてしまうこともあると思います。収入の多い少ないが、家庭の中での力関係に結びついていないかを考える必要があります」と指摘した。
また、“子どもの有無”も感情ケアに影響しているようだ。岡田氏は「子どもがいない・1人など、子どもの数が少ないほど、夫婦の感情(ケア)的なやり取りは多いという効果が今回は見られた。未就学児、6歳未満の小さなこどもがいるところだけで見ると、小さな子どもがいる方が夫婦のそういう感情(ケア)的なやり取りは多いという結果にもなったので、『小さな子どもがかすがいになってくれている』ことが今回の私の調査からは言えるかなと思っている」と述べた。
子どもの人数や年齢に関する結果を受け、谷口氏は、妻が夫のケアまで当然のように担ってきたことにも言及した。
「昔は、子どもが何人いても、小さな子どもの世話で忙しくても、妻が夫のケアまで担うことを期待されてきた面があると思います。妻たちが『私はあなたのお母さんじゃない』と言い続けてきたのも、その負担への違和感ですよね。
今回の結果を考えるうえでも、妻が夫のケアを担って当たり前とされてきた背景には、目を向けたいと思います」と述べた。
感情を家庭に持ち込まず、AIや1人の時間で解消する工夫
