■「ふるさと防災職員」が担うラストワンマイルと地域の底上げ
地域の防災対策における切り札として期待されているのが、今年4月から本格導入されている「ふるさと防災職員」だ。防災庁から全国47都道府県に1人ずつ配置された専任職員で、国と自治体の架け橋となる役割を担っている。
7月の熊本地震でもすでに活動しており、避難所を巡回して「トイレが暗いので明かりをつけてほしい」といった被災者のきめ細かな要望を吸い上げ、迅速な物資手配などを支援した。災害時には「拠点の近くまで支援物資が届いているのに避難所へ行き渡らない」という“ラストワンマイル”の目詰まりが度々問題視されてきたが、これは地理的な要因だけでなく、自治体職員自身も被災し手が回らないというマンパワー不足が大きな要因だった。平時から地域と関係を築いている国の職員が介在することで、ニーズの的確な振り分けと迅速な配布が可能になる。
もう一つの重要課題が、自治体ごとの「防災力」の格差是正だ。防災庁では、地震発生時の建物倒壊や避難者数を平日・休日、昼夜別に定量試算する「災害リスク評価(シミュレーション)」の作成を急ピッチで進めている。 現状では、こうした高度なシミュレーションを作成できている自治体とそうでない自治体との間に大きな差がある。作成には専門的なノウハウが求められるため、ここでも専門知識を持つ「ふるさと防災職員」が自治体のシミュレーションづくりを後押しし、全国的な防災力の底上げを図っていく方針だ。
(ニュース企画/ABEMA)
こんな記事も読まれています
