3月3日、打撃格闘技イベントKrushの後楽園ホール大会が開催される。チケットは指定席が早々に完売、追加販売されたスタンディング(立見)も売り切れたため、当日券の販売なしという人気ぶりだ。
それだけ注目を集めている理由の一つは、毎回KrushではKO決着が連発され、激しい試合が堪能できること。また、今大会にはとりわけ見逃せない対戦カードが並んでいると言っていい。
メインイベントは、-58kg王者・小澤海斗に中国のユン・チーが挑むタイトルマッチ。昨年、K-1で武尊を挑発し、乱闘まで繰り広げて話題を呼んだ小澤の防衛戦だ。
挑戦者のユンもK-1で活躍しており、そのパンチ力は誰もが認めるところ。現在のところ最強のチャレンジャーと言えるだろう。2.25K-1では同じ中国のウェイ・ルイがライト級タイトルを獲得しており、“新・格闘大国”の一員として勢いに乗っていることも予想できる。
「自分は誰と闘う時も特別な練習はしません」と語ったユン・チー。それも自信の表れか。対する小澤は「Krush -58kgイコール俺。俺だけ見とけ」と不敵なコメント。小澤が王者の威厳を示すか、それともK-1に続きKrushでも中国人王者の誕生か。見応えのある試合になりそうだ。
また今大会では、約2年8カ月ぶりのKrush参戦となる木村“フィリップ”ミノルが西川康平と対戦。木村は昨年9月にRIZINでMMAルールに挑戦するもKO負け。年末に組まれたリマッチは相手の欠場でキャンセルになった。悔しい思いをしただけに、今回の復帰戦ではたまった鬱憤を爆発させたいところ。一方の西川もアグレッシブな闘いぶりには定評があり、木村を倒せば一気にタイトル戦線に躍り出る可能性もある。
木村は今年の目標としてKrush -67kg、K-1ウェルター級(67.5kg)の王座獲得を掲げており、今回はベルトに向けて始動する闘いとしても注目する必要がありそうだ。
さらに-67kg戦線で浮上したい牧平圭太とKENJIの対決、中島弘貴vs山崎陽一の-70kg戦線生き残りをかけた激突、出貝泰佑vs軍司泰斗の-53kg次期挑戦者決定戦など、どの試合も重要な意味を持つものばかり。
強豪選手が揃った大会の中で、誰が一番目立つのかという間接的な闘いもある。超満員の観客の前で“Krush=壊し”の魅力を体現するのは誰か!?