“記録”は何を意味するのか。3月5日に行われたブンデスリーガ第23節、アイントラハト・フランクフルト対SCフライブルク。フランクフルトに所属する長谷部誠は、キャプテンマークを巻いて先発出場した。長谷部にとって、235試合目のブンデスリーガ。それは同時に、ブンデスの“日本人最多出場記録”を塗り替えた瞬間でもあった。
 しかし、試合を終えた後の長谷部は、いつものブンデスの試合を終えた直後の長谷部だった。何か途轍もないことを成し遂げたとか、前人未到の領域に足を踏み入れたとか、そういった高揚は漂っていなかった。