団体の数が増え、それに連れて体の小さなプロレスラーも多くなっている中、昔ながらの(というより昔と比べても)大型のパワーファイターとして大活躍しているのが石川修司だ。
(2m近い巨体から繰り出すパワー殺法で観客を魅了する石川。マイクアピールも実は器用だ)
身長195cm、体重130kgと、まさに現代の日本マットを代表する“大巨人”。その高さを活かしたスプラッシュマウンテンなどの投げ技やランニング・ニーリフトといった打撃に加え、ダイビング・フットスタンプなど幅広いテクニックを使いこなしてみせる。石川に関して言えば“デカい=動けない”という常識は通用しない。
DDTで団体の頂点であるKO-D無差別級王座を獲得している石川は、大日本プロレスでも活躍。デスマッチヘビー級、ストロングヘビー級と大日本の2大ベルトに加えタッグ王座のベルトも巻き、インディープロレス界ではトップ中のトップと言っていい。
一昨年10月、所属していたユニオンプロレスが解散するとフリーに。団体の後ろ盾がない状態で覚悟が決まったのか、石川はそれまで以上に激しく、厳しいプロレスで団体を股にかけた闘いを展開していく。
昨年は大日本のリーグ戦『一騎当千』で優勝を果たすと、その直後に行なわれたDDTの『KING OF DDT』トーナメントに優勝。2団体の大舞台を連続で制覇する快挙を達成すると、その勢いでDDT両国大会のメインに登場、KO-D無差別級4度目の戴冠を果たしている。「自分がプロレスラーとして求めているのは強さ」と言う石川は、その言葉を結果として証明したことになる。
その結果に加え試合内容も評価されて、石川は昨年の「日本インディー大賞」MVPを受賞している。
(DDTマットではヒールユニット・DAMNATIONのメンバーとして活躍)
石川は4月14日、DDTでのユニット・DAMNATIONの主催興行『DAMNATION不法集会』(新宿FACE)でマッド・ポーリーと組み、関本大介&佐藤耕平と対戦。大型パワーファイター4人が揃っての注目カードだ。また石川は大型選手の多い全日本プロレスにも参戦しており、4月16日の後楽園ホール大会で開幕する伝統のリーグ戦チャンピオン・カーニバルに初エントリー。開幕戦で、全日本の“顔”の一人である諏訪魔といきなり対決する。
昨年のチャンピオン・カーニバルでは、大日本におけるライバルの一人、関本が優勝。実力を考えれば、石川にも充分にチャンスがあると見ていい。インディーの枠を超えた、メジャー級の進撃に注目だ。
文・橋本宗洋