5月3日の新日本プロレス『レスリングどんたく』福岡国際センター大会で、オカダ・カズチカがIWGPヘビー級王座防衛戦を行ない、V5を達成した。
挑戦者のバッドラック・ファレには前回の両国大会で試合後にKOされ、前哨戦でも劣勢だったオカダ。それでも一騎打ちとなれば王者としての力量を見事に発揮してみせた。
パワー殺法には苦しめられたものの、最後はファレの巨体をジャーマン・スープレックスで投げ、そこからレインメーカー。終わってみれば貫禄の防衛だったと言える。
この日、会場は6126人、超満員札止めの大盛況に。来年の『レスリングどんたく』は2日連続で開催されることも決定した。まさにオカダは、九州にカネの雨を降らせたと言えるだろう。
そして、ドラマはここからも続く。試合後、オカダはファレのセコンドについていたケニー・オメガに対し、自ら次期挑戦者の指名。曰く「世界中の人たちが、またオカダvsケニーを見たいらしいぞ」。次のビッグマッチは大阪城ホール大会。関西で最大のイベントとなる。それだけに「それなりの相手じゃないと」と考えたようだ。
オカダvsケニーといえば、今年の1.4東京ドームで46分もの死闘を展開。これ以上はないと思えるほどの名勝負だった。さすがのオカダも、もうばらくはやりたくないと思ったそうだが「みんな続きが見たいと思います」とも。特に関西のファンは、この最高のマッチアップを生で見たいと思っているはずだ。
ファレ戦の後には、リング上で「IWGPは全レスラーが目指すからこそ、闘いが熱くなります。熱いからケガ人も出る。だけどプロレスラーは超人です。どんな技を食らっても立ち上がり、最後まであきらめないのがプロレスラー」と語ったオカダ。これは、欠場中の本間朋晃、柴田勝頼へのエールだろう。
そして同時に、プロレスにおける“危険な攻防”に批判的な流れが出てきたことへの、オカダなりの決意表明だったはず。
しかも、オカダvsケニーはあまりにも激しい闘いぶりから、その危険性が(今になって)槍玉に挙げられることにもなった。今あえてケニーを挑戦者に指名したのも、現在の新日本を背負って闘い続けるオカダのプライドの表れなのではないか。
ケニーとの再戦で、どんな超人ぶりを見せるのか。1.4とは何が違い、どこが同じなのか。単なるリマッチではない、重い意味を持つ対戦が実現しそうだ。
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