文字通り「どん底」からのカムバックをかけた闘いだ。5月28日のKrush後楽園ホール大会に、木村“フィリップ”ミノルが出場する。
ノンタイトル戦ながらゲーオ・フェアテックスに勝利するなど、K-1でも屈指の人気選手と言っていい木村。しかし昨年9月、RIZINでのMMA初挑戦でKO負けを喫すると、年末の再戦は相手の欠場でキャンセル、さらにKrushでの復帰戦も先にダウンを奪いながら逆転KOを喫し、勝ち星から遠ざかっている状態だ。
今回は悪夢の連続を払拭し、再起へのきっかけとしたい闘いだが、ここで負ければ今後、大きなチャンスが巡ってくることはしばらくないだろう。宮田充プロデューサーの言葉を借りれば「並の選手で終わるかどうか」の瀬戸際だ。
対戦相手のKENJIは34歳。今年で現役を終えるつもりで、だからこそ捨て身で攻めてくる。曰く「壊されてもいいから壊しにいく」。一方の木村も「人生、もう後ろはない。すべて出し切ります」と覚悟のコメント。また、何人かの選手から対戦要求があったことについては「負けたからって俺の名前に群がりやがって」と怒りのコメントも。
何度となく屈辱を味わいながらも「諦めることを諦めました」という木村。大物食いを狙うKENJI相手に、ファイター人生の分岐点にもなりうる重要な闘いを迎える。
文・橋本宗洋