天才棋士がまたもや快挙を成し遂げた。将棋の中学生棋士、藤井聡太四段(14)が6月2日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われた第43期棋王戦予選で、澤田真吾六段(25)に155手で勝利し、昨年12月のデビュー戦以来の連勝記録を「20」に伸ばした。5月25日に行われた第30期竜王戦の6組ランキング戦で優勝、決勝トーナメント進出を決めていたが、棋王戦でも挑戦者決定トーナメント進出が決まった。
とてつもない大勝負を、想像をはるかに超える力で制した。対戦した澤田六段は、第58期王位戦の挑戦者決定リーグ(紅組)を5連勝で突破し、挑戦者決定戦に駒を進めている新鋭。さらに2017年度は7勝0敗と、藤井四段に負けず全勝街道を走っており、今期に限れば「全勝対決」でもあった。後手番で始まった対局は61手目で千日手となり、先手・後手入れ替わって指し直しに。先手番で仕切り直しになった一局は、過去の連勝中では見られなかった大熱戦。周囲で見ていた棋士たちの評価も目まぐるしく変わる対局でも、藤井四段は負けなかった。