日本中に将棋ブームを巻き起こしている将棋の天才棋士・藤井聡太四段(14)が、思わぬところでも影響を与えていた。6月2日に行われた棋王戦予選決勝、澤田真吾六段(25)戦で、日本将棋連盟が運営する対局中継アプリが、アクセス過多により一時つながりにくくなる事態が起きた。連勝する度に対局室に多くの報道陣が殺到しているが、ファンは中継アプリに殺到していた。
同様の事態は2016年の第74期名人戦七番勝負第2局で、当時名人だった羽生善治三冠(46)が詰みを逃した場面で起きて以来のこと。その後、サーバーの強化・増強を施していたが、藤井四段効果はさらにこれを上回った。運営する日本将棋連盟の遠山雄亮モバイル編集長は、「2010年から始まったモバイル中継ですが、ベスト3に入るアクセスでした。藤井聡太四段の対局を見るために、新規で(有料会員に)加入された将棋ファンがとても多かったです」という。会員数は約15%増え、同連盟のホームページのPV(ページビュー)も担当者によれば「藤井聡太四段の対局時はアクセスが30~50%増える」という。
同連盟は、7日に行われるYAMADA杯をはじめ、今後の藤井聡太四段の対局に備え、急きょサーバーの強化とアプリの改良に着手。今後も改善を続けていくという。遠山編集長は「今回のアクセス過多では、将棋ファンにご迷惑おかけしました。改めてお詫び申し上げます。タイトル戦等の注目局、そして藤井聡太四段のこれからの対局も数多く将棋連盟ライブ中継アプリで中継いたしますので、引き続きご愛顧ください。またこれまでの藤井聡太四段の対局中継も全て閲覧できますので、合わせてご鑑賞ください」と話した。
対局中に食べる食事、おやつが注目され、子どものころに遊んだおもちゃが売り切れるほどの影響を与えている藤井聡太四段。将棋の成績同様に、まだまだ効果は続きそうだ。
◆将棋連盟ライブ中継アプリ:http://bit.ly/2nsRsSH
(画像提供:日本将棋連盟)