6月17日に開催されるUFCシンガポール大会に、日本から3人の選手が出場する。それぞれ、キャリアも個性も違う男たちだ。
ジョン・タックと対戦するのは五味隆典。修斗、PRIDEで頂点を極め、近年はUFCを主戦場にしてきた五味は38歳。そのキャリアの集大成とも言える時期に差し掛かっている。
9月にはUFC日本大会が控えているだけに、ケガなく勝てば凱旋マッチが見られる可能性も。本人もインタビューで“節目”であることを匂わせる発言をしており、このシンガポール→日本という流れはファンなら目が離せないものとなっている。
もう一人の出場選手、佐々木憂流迦はUFC6戦目の27歳。アグレッシブに一本勝ちを狙う寝技で新人時代から注目されてきた。世界最高峰のUFCでは現状、勝ったり負けたりだが、ここで出世のきっかけを掴みたいところだ。
そして、今大会では20歳の井上直樹が“世界デビュー”を果たす。DEEPで活躍してきた井上は、プロ10戦全勝。一本勝ちも多く、やはり攻撃的な寝技が持ち味だ。
すでにアメリカで活躍中の魅津希の弟である井上。所属する白心会はジュニア年代からの育成に定評がある道場で、特にテクニック重視の指導で知られる。ジュニアだからこそ安全面を大事にし、そのために自分の身を守るテクニックを磨く。それがプロでも活きてくるというわけだ。
初戦の相手はフィリピンのカールス・ジョン・デ・トーマス。ここでインパクトのある勝ち方をして、名を上げたところで日本大会登場を期待したい。
ベテランの五味、キャリア最盛期を迎えようとしている佐々木、新鋭・井上。それぞれにテーマがある試合を、日本からも見届けよう。