6月18日にさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナで開催される「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN ~第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント~」。かつて魔裟斗が激戦を繰り広げたミドル級(-70kg)が、新生K-1ではスーパー・ウェルター級の名称で争われるこのトーナメントは、日本人選手4名と海外勢4名が一回戦で対戦するワンデイトーナメントだ。
今回のトーナメントにエントリーした日本人選手、日菜太、中島弘貴、廣野祐、城戸康裕ともに二十代後半から三十代と、キャリア的にも脂の乗り切ったベテラン揃いとなった。それぞれが旧K-1での参戦経験や、Krush黎明期から作り上げてきた功労者という意味も含めこうしてトーナメントで一堂に介する姿に特別な思いを寄せるファンも多いと思う。
一方の海外勢。前回マラット・グレゴリアンに敗れたもののファイナルまで進出、今回のトーナメントではダークホースから大本命となったジョーダン・ピケオー。もはやKrushでは敵なしという印象だが、激戦のK-1トーナメントとなると状況も変わってくるだろう。
またジョーダン・ワトソンの負傷で急遽参戦が決まり城戸と対戦するルーク・ウィーランも不気味な存在だ。ウィーランという名前でピンと来た人もいるかもしれないが、武尊と初代フェザー級トーナメントを戦ったジェイミー・ウィーランの兄。思わぬ形でチャンスが回って来た印象だが、サウスポーで長身と「苦手なタイプ」と城戸も公言し警戒心を強めている。
そして今回K-1に殴り込みをかける欧州の実力者チンギス・アラゾフ。ベラルーシ出身といえばアレクセイ・イグナショフの名前が出てくる人もいると思うが、彼を輩出したヌチッキジム出身、しかも戦績46勝2負30KOという圧倒的なKO率。ここ日本では「まだ見ぬ強豪」という言葉で片付けられそうだが、この選手が大本命との声も各方面から聞えてくる。
注目度が高いのは、一回戦でいきなりの対戦となる日菜太とジョーダン・ピケオー戦。前回のライト級トーナメントの卜部功也とゴンナパー・ウィラサクレックの悪夢の再現、どちらかが消えるのは余りにももったいない組み合わせではあるが、間違いなく潰し合いの先にアラゾフと中島の勝者という流れを考えると、この階級のタイトル戦線で戦い続けているサニー・ダルベックや廣野 、城戸、ウィーランの勝ち上がり組に有利な流れになる可能性も十分に考えられる。
大番狂わせの期待も含め見逃せないトーナメントになることは確かだろう。
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