プロレスは鍛え抜かれた肉体同士のぶつかり合いであり、素人が安易に手を出すと大変な事態に陥ることがある。
かつて、新聞で「上司が部下にサソリ固めをかけて部下死亡」といった文字を見たことがある。会社の上司宅に招かれた部下が、酔っぱらった上司からサソリ固めをかけられ、胸を圧迫されて死亡したというのだ。サソリ固めは、マット上に倒れた相手の両脚を持ち上げ、その間に掛け手が足を通し、相手の脚を掛け手の脚を中心にクロスさせて固め、そのまま反転させ腰を落とす技である。足が痛いほか、腰も痛くなる。だが、この上司は腰を落とす場所が本来の相手の腰あたりではなく、胸のあたりになってしまい、圧死したのだ。