6月23日、『魔裟斗の選んだ新生K-1 ベストバウト』(AbemaTV)が放送された。番組ではK-1ファイターとして一時代を築いた魔裟斗が近年のK-1から10試合を選び抜き、その魅力を語っている。
まず1つ目に挙げたのは、2014年11月3日に東京・国立代々木競技場第二体育館で開催された『K-1 WORLD GP -65kg初代王座決定トーナメント』1回戦の山崎秀晃VSゲーオ・フェアテックス戦で、魔裟斗は「ゲーオの怖さを見た試合。久しぶりに怖いタイ人を見た」と評する。VTRではゲーオが山崎を圧倒する様子が流された。
続いて挙げた試合は、そのゲーオが敗れた2015年1月18日の木村“フィリップ”ミノルとの試合。魔裟斗も「まさかあのゲーオが」と舌を巻きつつ「木村が新生K-1を背負っていく感じかなって空気はありましたね、この時は」と、木村が無敗の王者からダウンを奪い勝利を得た戦いを振り返った。
3つ目は、2015年4月19日の『K-1 WORLD GP -55kg初代王座決定トーナメント』決勝戦の大雅と武尊の試合で、魔裟斗は「大雅が勝ってたら、今の武尊のポジションを獲ってましたよ。それくらい、この2人にとっては重要な試合でした」とK-1の面白さを再認識し、若手のレベルの上昇を感じた試合だとも明かした。VTRでは軽量級とは思えない攻防が繰り広げられ、武尊が王者に輝いた。
4つ目には「伝説の兄弟対決ですよね」と、2015年11月21日の『K-1 WORLD GP -60kgタイトルマッチ」の、卜部功也VS卜部弘嵩を挙げる。「兄弟でそこまでよく殴り合えるなと思いましたよね」と、兄弘嵩が弟功也を倒した究極の兄弟喧嘩を振り返った。映像では2人の母親が涙ぐみ試合を見つめる中、ヒザの一撃で弘嵩が勝負を決める様子が映し出される。
5つ目として、魔裟斗は2016年6月24日『K-1 WORLD GP スーパーファイト -57kg」の武尊と小澤海斗の試合を取り上げ、戦う前から激しく火花を散らす2人の様子に「会場に見に来たお客さんがワクワクした試合ですよね」と、3対0の判定で武尊が勝利し、会場を大いに沸かせた戦いに目を輝かせた。
6つ目は、2016年9月19日の『K-1 WORLD GP スーパー・フェザー級世界最強決定トーナメント 決勝戦」の大雅VS卜部功也。大雅はこの前に兄の弘嵩に勝利を収めており、KO勝ちをした功也は奇しくも兄の敵討ちをすることになった。インパクトのある試合で、功也について魔裟斗は「“倒せる”選手になった」と認識を改めたのだという。
7つ目には2017年2月25日『K-1 WORLD GP初代ライト級王座決定トーナメント準決勝』の、平本蓮とゴンナパー・ウィラサクレックの試合を挙げる。2016年9月、ゲーオ・ウィラサクレックの代役として出場したゴンナパーは猛攻で山崎秀晃の膝を“破壊”し勝利しており、下馬評では平本の不利とされていたが、見事“日本人キラー”に1RKO勝利を収めている。魔裟斗は平本のクレバーさを評価した。
「これは衝撃的な……」と8つ目に挙げたのは、2017年6月18日にさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナで行われた『K-1 WORLD GP第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント準決勝」のチンギス・アラゾフとジョーダン・ピケオーの試合で、魔裟斗は右フックの一撃でジョーダンを下したチンギスについて「もし自分がやるとなったら凄く嫌なタイプですね」「本当に引退してて良かったと思いますね、この試合を見て」と手放しで称賛した。
9つ目は、同日に行われた『K-1 WORLD GPライト級タイトルマッチ 第12試合』のウェイ・ルイVSゴンナパー・ウィラサクレックで、魔裟斗は「玄人がワクワクするカードですね」と、強者の激突した試合を振り返り、フルラウンドを戦い判定で勝利を収めたウェイと、ゲーオとのカードの実現を期待した。
ベストバウト10試合目には、これも同日に行われた『K-1 WORLD GP第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント決勝』の、城戸康裕VSチンギス・アラゾフを挙げた。「よくぞ城戸、ここまで頑張った」と、勝負では判定でチンギスに敗れたが、2度のダウンを奪われながらもダウンを取り返す試合展開を見せた城戸を称賛し、34歳になっても選手として進化する姿に「夢を見せれくれたなっていう。昔から知ってる城戸のファンは『自分も頑張ろう』って思ったんじゃないですか」とコメントした。
これからの新生K-1について、牽引役を担っている武尊にライバルが必要なのだとして、大雅の成長や、武尊とのリベンジマッチを期待した魔裟斗。「自分がやってきたものが無くなるより、後に残ってどんどん続いていく方が絶対良いに決まってるんで、さらに頑張ってもらいたい」と選手らにエールを送った。