プレイヤーもファンも男性のイメージが強い麻雀界において、アイドル的な存在として活動を続けるユニットがある。本格的アーティストグループ「More」だ。2015年12月にデビューシングルのリリースとともに活動を開始すると、オーソドックスな対局番組だけでなくバラエティー企画から雑誌のグラビアなど、これまでの麻雀プロにはなかった活動で、新たなファン層を獲得し始めている。現在14人いるメンバーをまとめる菊池伸城プロデューサーは「大変ですが、思い描いていたプランどおりには来ている」と手応えを感じていた。活動を始め約1年半が経過したMoreの今後を聞いた。
手元を見なくても牌をさばけるくらいに麻雀が体に染み付いているメンバーたちだが、歌って踊ることついては、未体験の者が大半だった。自ら箏(そう)と呼ばれる日本の伝統楽器の奏者でもある菊池プロデューサーは「彼女からしたらCDを出すのは未知の領域でしたからね。出すこと自体は意外と簡単ですが、とにかく準備が大変だったと思います」と、ファーストシングルを出したころを振り返った。中には芸能活動経験者もいるが、麻雀プロともなればインドア派も多い。歌うだけでなく踊るともなれば、難易度はさらに増す。「レコーディングでも、かなりきついダメ出しをされてへこんでいるメンバーもいましたからね。でも実際に作品になったら、楽しそうに聞いていました」と目を細めた。
グループ結成当初からの目標の1つは、ワンマンでのライブだ。「最初から対バン(共演)ではなく、ワンマンでやりたいという思いはありました。そのためには楽曲が必要。オリジナルで10曲ぐらいないと、1時間のライブができませんからね」と、ファーストライブに向け楽曲を増やしていく予定だ。「歌もダンスもちゃんと練習しましたからね。1回ぐらいちゃんとしたステージでやらせてあげたい」と近い将来、晴れ舞台を用意する予定だ。
本来、麻雀とは離れた活動がベースにあったMoreだったが、メンバーたちの本業でもある麻雀でも、思わぬ効果が生まれている。セカンドシングル発売前に行った、対局による「センター争奪戦」がその契機だった。「彼女たちの中で、あの企画がかなり残っていて。これからサードシングルを出すのですが、『センター選抜、もう1回やりましょうよ』とメンバーの方から言ってきていて。やっぱり麻雀で勝ち取りたいんですね」と笑った。不慣れな歌とダンスは協力するが、麻雀とれば本来の闘争本能に火がつく。勝ってこその麻雀プロだけに、戦いとなれば容赦はない。
よきライバルが身近に増えたことで、メンバー全体の麻雀レベルの引き上げにも成功しているという。ここ最近、Moreのメンバーたちが対局番組・大会で、次々と好成績を収め始めている。「AbemaTVなどもそうですが、視聴者数が多い番組で対局することがレベルアップにつながっています。他の大会でも、上位の半分くらいをMoreのメンバーが占めていたことがあって。『なんだかMoreの子たち、強いよね。誰か優勝するんじゃない?』みたいな会話もありました」と明かした。
今後もユニットとして歌、ダンス、そして本業の麻雀力アップの努力は続けていく。「歌やダンスが得意な人は苦手な人に教えてあげて、逆に麻雀が強い子にはまだ力が足りない子を引き上げてほしい」と相乗効果に期待をしている。歌う・踊る・打つの三拍子が、これまで以上にそろったユニットになれば、麻雀界だけでなく広く世間に知られていくはずだ。
(C)AbemaTV
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