7月16日のKrush・後楽園ホール大会(17時~AbemaTVで生中継)では、初の試みが行なわれる。日本vs中国の6対6全面対抗戦だ。
6月30日の公開練習、テクニカルなミット打ちを披露した卜部
K-1でウェイ・ルイがチャンピオンになり、ユン・チーはKrush王座に挑戦するなど、現在の立ち技格闘技界では中国が一大勢力となっている。経済発展という背景もあってビッグイベントが開催、また選手の練習環境もレベルが上がっているそうだ。
今回のKrushにも、中国の格闘技イベント「GLORY OF HEROES」からトップ選手が登場。対する日本チームも、卜部弘嵩、小宮由紀博、渡部太基、瑠輝也、佐野天馬、里見柚己と、ベテランから新鋭まで、それぞれにテーマのある選手が揃った。
メインイベント=大将戦に登場するのは卜部弘嵩。Krushの初代-60kg王者であり、K-1でも同階級のベルトを巻いた。しかし今年に入ってベルトを失っており、今回は“古巣”での復帰戦という形になる。
公開練習で顔を揃えた日本チームの面々。
前半に登場する里見、佐野、瑠輝也はタイトルを狙える新鋭だ
対戦相手は当初の予定から変更になりジェン・ジュンフェンに。キックボクシングだけでなくMMAにも参戦しているファイターだけに、変則スタイルのやりにくさがあるかもしれない。
とはいえ、卜部はこの試合が50戦目とキャリア豊富な選手。またデビューから10年、さらにKrushでのメインが10回目と節目の試合でもある。
「ずっとKrushでやってきた人間」
自身をそう表現した卜部。Krushでメインイベンターを務める意味、重さを充分にわかっているということだろう。Krushで活躍してK-1へ、という流れもあるものの、決してKrushが格下だとは考えていない。
今回の試合は中国勢との対抗戦というだけでなく、K-1への対抗意識も強い。
「6月のK-1より盛り上げたいですね。今回のほうが面白くなる」
狙うのは、さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ大会を大成功させたK-1を超える盛り上がり。そのためにも「(対抗戦)全試合KOが理想」だという。
久しぶりのKrush参戦ながら“Krush育ち”の誇りと責任感を持つ卜部は、やはり対抗戦の大将にふさわしい選手だと言えるだろう。
文・橋本宗洋