7月16日に後楽園ホール開催される「Krush.77~日本vs中国・6対6全面対抗戦~」(16日17時~AbemaTVで生中継)を前に中国の6選手が東京大久保のK-1ジムで公開練習を行った。
昨年フェザー級トーナメントで武尊を苦しめたユン・チーを除いては日本では無名の選手ばかりだが、近年その競技人口の多さの中で選抜され技術水準の高い選手揃いなことは確かだろう。公開練習を経て少しだけベールが剥がれた印象の中国6選手についてその特徴を探ってみた。
里里見柚己と対戦するワン・ジュングァン。日本人選手も出場するすることが多い「Glory of Heroes」への参戦で頭角を現し、57kg級の初代トーナメント優勝、現在ランキング2位と実績も確かなものだ。GOH以外の大会のレベルは不明だが、23歳の若さで23戦20勝。練習でもパンチの強さなどを前面に押し出している。
瑠輝也と対戦するドン・ザーチーは、武林風では元ルンピニースタジアム認定バンタム級王者のルンラウィー・サシプラパーを苦しめ、ウェイ・ルイと互角に戦った実績などを考えると、今回見るべき注目選手の一人といえるだろう。ウェイの評でも「パンチも蹴りも硬くて強い、1R~3R通してダメージを与え続ける」という言葉を残している。
渡部太基と対戦するティエ・インホァ。フィジカル的にも屈強な印象の選手で、外国人選手とも真っ向勝負して来たことから「小さな虎」の異名でも知られているという。前に出て強烈なパンチとキックを打ち合うスタイルは、似たような強気なスタイルの渡部とは噛み合いKO必至の内容となりそうだ。
小宮由紀博と対戦するチュー・ジェンリャンはムエタイの世界で知られるトップファイターの一人。ジョムトーン・チューワッタナやK-1にも参戦したイリアス・ブライド、ケム・シッソーンピーノーンにも勝利し、主に外国人選手と中国のみならず世界中で対戦している今回の大会でも最も注目すべき選手の一人。ウェイも「一流のテクニック、距離感などに注目して欲しい」と語っている。
実は2年前のFG旗揚げ戦での初来日ではウェイトオーバーで不戦敗という苦い経験をしているので、初の日本のリングでの真のデビュー戦はなおさら注目である。卜部弘嵩と対戦するジェン・ジュンフェンはコン・ロンの負傷により急きょ参戦が決定した選手だ。本来はMMAルールを主戦場に戦っているということで、今回のKrushルールでの対戦は散打ベースでパワーとスピートに定評があるという。
今回の日中対抗戦のセコンドには、現在の中国勢躍進の象徴ともいえる初代K-1ライト級王者、ウェイ・ルイが帯同している。実際ミットを交え練習にも参加したウェイはインタビューで「99%私たちが勝つ」と自信を見せているが、今回の大会で「第2のウェイ・ルイ」といえる逸材が発掘される可能性は十分だ。
この対戦日本では余りクローズアップされていないが、中国の格闘技界を牽引してきた武林風と日本の新生K-1との全面戦争第4弾という側面がある、すでに過去3度中国で似たような企画は実施されて来たが、Krush勢が残念ながら負け越している。とにかく強豪ぞろいの中国勢だが、日本ホームでの対戦は今回が初ということもありKrush勢にはアウェイとはまた違う結果が期待したい。