一時はどん底に落ちたかと思われた棚橋弘至が、ここにきて復調している。今年の1.4東京ドーム大会では、今をときめく内藤哲也に敗北。昨年はオカダ・カズチカとのIWGPヘビー級選手権で敗れており、大舞台での2年連続黒星は「世代交代」を濃厚に感じさせた。
しかし、ベルト破壊活動にいそしんでいたIWGPインターコンチネンタル王者・内藤に再び反旗を翻すと、6月の大阪城ホール大会で王座奪取に成功。メチャクチャにされたベルトを自力で修復してみせた。
また7月のロス大会では、さっそくタイトル防衛。アメリカのプロレスファンから大喝采を浴びた棚橋は、G1クライマックス(7月17日(月) 15時~AbemaTVで開幕戦生中継)に向けて勢いをつけたと言っていい。棚橋自身も、G1のテーマを「勢いを持続できるかどうか」だと語っている。また「棚橋の真価を見せないと」とも。
長年にわたり新日本を牽引してきた棚橋の功績は、誰もが認めるところ。しかし、団体が新たな黄金時代を迎えたからといって「御役御免」ではないはずだ。今回のG1では王者として、エースとしての責任以上に、いちプレイヤーとしての棚橋の実力が見られるだろう。
7月17日の開幕戦では、ザック・セイバーJr.と対戦する。かつてノアのリングを席巻した実力者にして、現在は鈴木軍の一員。今回のダークホース候補と言うべき存在だろう。まして、G1開幕戦といえばビッグ・アップセットが付き物。昨年はオカダが丸藤正道に敗れた。この開幕戦、棚橋としては“G1の魔物”との闘いも大きなテーマとなりそうだ。そしてそれを乗り越えれば、2年ぶりの優勝も見えてくる。
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