真剣な表情で盤に向かい戦う将棋のプロ棋士たちだが、盤を離れて素顔に戻ると、さまざまな趣味を楽しんでいる棋士は多い。スポーツやゲームをはじめ、チェスでは国内トッププレーヤーもいるほどだ。AbemaTV(アベマTV)をはじめ、対局番組の放送中には解説と聞き手の棋士が、趣味の話で盛り上がることもしばしばだ。そこで面白い趣味、超一流の趣味、有名な趣味を持っている棋士をピックアップしてみた。
◆サッカー専門誌にも登場した野月浩貴八段
テレビやスタジアムで年間数百試合も観戦するというサッカーフリークが野月浩貴八段だ。出身地が北海道であることもあり、コンサドーレ札幌の熱心なサポーター。サッカー専門誌にもインタビューで登場することもある。
サッカーファンであれば将棋とコラボしたイベントが時折開催されていると感じる方もいると思うが、そもそもその流れを作ったのが野月八段だと思っていれば間違いない。棋界にサッカーファンは多いようで、フットサル部も作られている。渡辺明竜王・佐藤天彦名人・広瀬章人八段・室谷由紀女流二段などがよく活動しているのは有名だ。
◆国内有数のチェストッププレーヤー・羽生善治三冠と青嶋未来五段
かつて将棋が七大タイトル(現在は八大タイトル)だったときに同時に七冠を達成し、40代後半になってもなお三冠を保持する棋界の第一人者・羽生善治三冠は国内最強クラスのチェスプレイヤーでもある。
World Chess Federationのランキングはよく対局するActive playersと全プレーヤーを対象にしたAll playersの2種類のランキングがあるが、羽生三冠はAll playersでは2位にランキングされており、文字通り日本のトップクラスのプレーヤーであることが分かる。
青嶋未来五段は日本チェス協会のレーティングでは記事執筆時点でも全日本の4位となっており、現役プレーヤーとしてトップレベルの実力を示している。
◆ギターで楽曲提供までした西尾明六段
将棋の仲間とアマチュアバンドを組んでいる西尾明六段は囲碁将棋チャンネルの番組や電王戦のテーマ曲に自作の曲を提供。日本将棋連盟モバイルのCM曲も提供しており、それはファンの間では「ティロティロ」と親しまれている。
2015年に結婚した際にも「本日入籍してきました。変わらずギタリストとして精進していきたいと思います。」と語るほどの特技は、もはや個人の趣味の域を超えているといっても過言ではないだろう。
◆サブカル大好き!高橋道雄九段のブログ
かつてはAKB48の大ファン、アニメ「けいおん」にもはまっていた高橋道夫九段。専門番組に登場するほどの造詣の深さは特筆ものだった。最近はブログなどによる情報発信を控えているが、また以前のようなファンぶりを期待したい1人だ。
◆パチスロライターもびっくり!阿久津主税八段の強運と知識
パチスロや競馬が好きなのは阿久津主税八段。パチスロではCSの専門番組でゲストとして登場し、パチスロライターよりも良い収支を収めるどころか、打っている最中の解説もプロ顔負けの姿を見せた。勝負への姿勢がパチスロの状況判断に向いているのかもしれない。
◆自ら「坂路調教」したこともある渡辺明竜王
渡辺明竜王の競馬好きも有名だが、以前ブログでは滋賀県の栗東にある競走馬用のトレーニングセンターで、競走馬が走る販路を自ら走る姿を掲載するなどのシーンも見せている。騎手とのつながりも多く、競馬番組のゲストに呼ばれることもある。
棋士の趣味活動を追ってみて、自分に共通のものがあれば親しみも強くなるというものだ。サッカーが好きな人は野月八段が上手に将棋と絡めてコメントするのを期待しつつ出演情報を追ってみるのも楽しいかもしれない。【奥野大児】
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