(昨年からDDTマットに参戦していた高山)
9月4日の記者会見で、試合中の事故により大怪我を負った“帝王”高山善廣を支援する「TAKAYAMANIA」の発足が発表された。
高山は5月4日、DDT豊中大会の試合中に負傷し、そのまま病院へ。手術を受け、8月に関東の病院へ転院したという。ドクターの診断は「頚髄完全損傷」。肩から下の感覚がない状態で、回復の見込みは現状ないという。
そんな中、絶望を口にしていた時期もあるという高山だが、現在はリハビリで怪我との闘いを続けている。会見には高山のマネジメントを担当する石原真氏、かつて名タッグを組んだ鈴木みのる、DDTの高木三四郎社長が出席。有志が「TAKAYAMANIA」を起ち上げ、各団体に募金箱を設置、応援グッズ販売、高山のプロデュースによるチャリティー興行開催などを予定しているそうだ。活動の収益は高山の治療費等にあてられる。また銀行振込での寄付も可能。
(会見では鈴木みのるが涙を見せる場面も……)
高山は現在、人工呼吸器が外れて会話はできる状態。会見の前日、高山と会話をしたという鈴木は、対面しての高山の第一声が「G1、誰が優勝した?」だったことを明かした。「体が動かない状態なのにプロレスのことを気にして……」と言葉を詰まらせた鈴木。タッグパートナーとして新日本、ノア、全日本で暴れまわった「親友」への応援を呼びかけた。
「俺みたいなクソヤローが何を言っても響かないかもしれませんが……俺なんかより高山善廣に……勇気をたくさんもらったと思うので、みなさんぜひ力を貸してください。彼は言いませんけど、UWFの大先輩である前田日明さん、彼の最初の師匠、高田延彦さん、力を貸してください。よろしくお願いします」
この会見と発表を受け、マット界で一気に応援の輪が広がっていった。プロレスリング・ノアなどその日の大会から募金活動を開始した団体も。また多くの選手、団体がツイッターを通して支援を呼びかけ、高山を激励。高田延彦もエールを送り、統括本部長を務めるRIZINでの募金箱設置も決まったという。
こうしてマット界が団結する状況になったのは、それだけ高山が幅広く活躍し、選手としても人間としても信頼されていたからだろう。
UWFインターナショナルでデビューした高山。全日本プロレスでは「体が大きい選手はどんな闘いをすべきか」をジャイアント馬場さんから教わったという。まさに“帝王学”だ。さらにノア、新日本でもトップ戦線で活躍。そうかと思えば電流爆破のリングにも登場し、またDDTマットで男色ディーノと唇を重ねたあげくタッグ結成……。硬軟自在、高山にできないプロレスはないと思わせるほどの自由なスタンスが魅力だった。
2002年にはPRIDEでドン・フライと伝説に残る死闘を展開。格闘技の歴史にもその名を残している。その気さくな人柄もあって、メジャーからインディーまで、あらゆる団体で信頼され、選手に慕われているのが高山。もちろん、そんな高山を嫌いだというファンもいないだろう。
だからこそ、苦しい状況の“帝王”を今こそ応援しようというTAKAYAMANIAの盛り上がりも凄まじいものになっている。「長く続けていきたい」とは高木の言葉。現在の熱は、あくまでスタートだ。今後の活動は高山堂ブログ(https://ameblo.jp/takayama-do/)にて随時発表されていく。
〈高山からのメッセージ〉
「この度は私、高山善廣を支援していただく会を発足していただき、また、その発表にお集まりいただきました皆さんに、感謝いたします。去る5月4日、試合中、頚椎を痛めてしまい首から下が全く動かず、また呼吸もできなくなってしまいました。首の手術を受けた後、心臓停止などのトラブルもあり、術後の経過が思わしくなく、なかなか皆さんにご報告できる状況にありませんでした。そんな私のために仲間たちが集まって、私のために色々とやってくれると聞き、感謝の気持ちしかありません。みなさん、どうもありがとうございます。私もどんどんアイデアを出していこうと思っております。リハビリ頑張りますので今後ともよろしくお願いします。 2017年9月1日 高山善廣」
〈募金振込先・お問い合わせ〉
【銀行振込】
- 東京三菱UFJ銀行
- 代々木上原支店
- (店番号)137
- 口座番号:普通預金 0057767
- 口座名義:株式会社 高山堂
※通帳は高山選手の奥様がお持ちになられています。
【TAKAYAMANIAお問い合わせ】 takayamania.staff@gmail.com
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