2016年度の勝率1位の若手ホープが、“羽生世代”として活躍を続ける先輩棋士に、真正面から斬り合いを申し込む。将棋の若手棋士7人と40代のトップ棋士がチーム戦で戦う「若手VSトップ棋士 魂の七番勝負」(AbemaTV)で、青嶋未来五段(22)が対戦相手に郷田真隆九段(46)を指名した。プロ歴の浅い順に若手棋士がトップ棋士を選ぶルールの中、直線的な棋風で互いに攻め合い、そして勝つ郷田九段について「斬り合って勝つタイプで、すごいと思う。読みが深い先生」とした上で「お互いに攻め合いになると思う」と、かわすことなくぶつかる構えを見せた。
手合いこそないが、棋譜や著書を通じて学ばせてもらった大先輩との対決だ。2人の共通点のひとつは居飛車党であること。「郷田さんは居飛車党の本格派なので、居飛車党の棋士なら非常に参考になる、憧れる将棋を指される先生。そういう方と対戦してみたかった。先生の本も持っていますし、棋譜もよく見ています」と、これまでも多くのことを吸収した。真っ直ぐに相手に斬り付け、斬り返されても、なお斬って倒す。郷田九段の棋風が、他の棋士からも憧れを抱かれる理由だ。
粘りが持ち味でもある青嶋五段だが、大きな舞台での初対局だけに、斬り合いこそ望むところだ。「戦法は完全に私の作戦次第で変わると思うんですが、展開としてはお互い攻めますので、攻め合いになるんじゃないかなと思います。郷田さんというトップ棋士相手に自分の力がどのくらい通用するのか。注目される場ですので、自分らしい将棋を指せればと思います」と、今持つ力全てでぶつかっていく。トップ棋士の厳しい攻めに耐え、さらには攻め返すことができれば、若手棋士内で起きつつある出世争いで、青嶋五段が一歩先を行くことになる。
(写真提供:日本将棋連盟)