9月18日にさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ開催される「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN~初代ウェルター級王座決定トーナメント~」(AbemaTVでは当日の生中継が決定)で、武尊が中国の22歳の新鋭、ワン・ジュングァンを迎え初のK-1 WORLD GPフェザー級タイトルの防衛戦を行う。
前日計量でリミットちょうどの57.5kg、挑戦者ワン・ジュングァンは200グラムアンダーの57.3kgでそれぞれ計量クリア。会見で武尊は「ベルトを守る試合はしない攻めてもう一度ベルトを取るつもりで戦いたい。ワン選手はアグレッシブな選手なので、僕のやりたい試合をする」とタイトル防衛に固執することなく攻撃的な試合をしたいと宣言した。
両選手に「この試合に向けて強化してきた点は?」という質問がよせられるとワンは「7月のKrushに出場して、中国に帰ってガードを強化してきました。それ以外にも自分のテクニックを発揮できるトレーニングをしてきました」と意外にも攻撃的なワンから防御に対する話題が出ると、武尊は「特に何を強化するというよりは、自分のレベルを上げる練習をしてきた。相手どうこうで対策は得にやっていなくて。それよりもガードとかディフェンスとかテクニックみせたいとか言っていますが、そんな試合をするつもりはないんでバチバチいってやろうと思います」とすでに静かながら両者の対戦前のバチバチの情報戦が始まっている。
「自分のレベルを上げて…」K-1として初の防衛戦に臨む武尊。先日公開されたAbemaTV 「ONE DAY #16」では、ワン戦を前に多角的に自身の肉体の強化に余年のない王者の姿を余すところなく密着している。
新たな「K-1の顔」としてTVやメディアへの露出も増えた武尊。これまでも華やかな姿や、強さに迫るドキュメンタリーは存在したが、このエピソードでの姿は一言でいうと寡黙。時には顔を歪ませてキツイトレーニングする姿を包み隠さず公開しているが、これもまた武尊の強さの本質に迫った内容の記録である。
かつて魔娑斗のパーソナルトレーナーを努めたことでも知られるケビン・ヤマザキ氏の元で一つ一つ自身の弱点を、克服していくプロセスを捉えた映像。一見すると地味だが逆に「ここまで裏側を見せるのか」という驚きもあるし、「僕以上にK-1王者に相応しい選手はいない」という発言からは、自身の強さへの自負と、なお妥協を許さず強さを追求するストイックぶりを再認識するだろう。
今回のワンとの防衛戦は、7月に開催された「Krush.77」日本対中国対抗戦での、ワン自身の大胆な挑戦に武尊が受ける形で決定した。それは売り言葉に買い言葉ではなく、ワンのリングでみせたアグレッシブな姿勢に「この選手とバチバチ殴り合いをしたい」という率直な思いからだ。
番組中に武尊が語った「負けたら全てを失うと思ってやっている」という言葉は非常にリアルで、k-1というジャンルを背負うというプレッシャーは、タイトル防衛という個人の栄誉よりも重く伸し掛かっている。
それは同時に「よりファンにエキサイティングな試合を」「面白い試合でなければならない」という命題とともにある。「2017年は全試合KO」という難しい課題を掲げつつも今回のワン戦で実現すると、そんな大きな目標も現実味を帯びてくることだろう。