高校通算最多となる111本塁打の記録を持つ清宮幸太郎選手(18=早稲田実業)が9月22日、同校で行われた記者会見でプロ志望を表明した。父でラグビー・ヤマハ発動機ジュビロの監督を務める克幸氏と同じ早稲田大学への進学も検討されたが、超高校級スラッガーの選択は、即プロ入りだった。会見で清宮は高校の先輩である王貞治氏について触れ「王さんのような人間、野球人になりたい」と語った。会見の模様は以下のとおり。
―冒頭あいさつ
清宮 私清宮幸太郎は、プロ野球志望届を提出することに決めました。野球に出会ってから目の前の目標や、手の届く夢をかなえることに幸せを感じてきました。小さいころは、試合に出る喜び、ライバルとの対決に勝つ喜び、負ける悔しさを学ぶ普通の野球少年でした。しかし歳を重ねるうちに、1つずつ夢のステージが上がっていくを実感し、ここ早実野球部3年間で次の大きな夢へ挑戦するべきだという確信にいたりました。プロの世界の厳しさは十分理解しているつもりですが、より高いレベルに身を置き鍛錬し、努力することで目の前の目標を1つ1つクリアしていきたいと思っています。以上、よろしくお願いします。
―決断した一番の決め手はなんですか
清宮 これがというのはあまりないんですけど、昔からの自分の夢でもありましたし、より高いレベルで野球をやりたいという思いから、このような決断にいたりました。
―いつごろ決断したのですか
清宮 (U-18野球W杯の)カナダから帰ってきてからすぐ決めました。
―誰に一番相談しましたか
清宮 誰というのはあまりないです。
―監督にはどう伝えましたか
清宮 伝える時はプロに決めましたという形で伝えさせていただきました。
―監督はどんな様子でしたか
清宮 笑顔で受け止めてくださいました。
―ご両親の反応はどうでしたか
清宮 自分の選んだ道を応援してくれるということだったので、そのようなスタンスというか、そんな感じでした。
―言葉などはありましたか
清宮 いや、特にないです。
―プロは日本のプロ野球ということでいいですか
清宮 はい、もちろんそうです。
―12球団すべてOKですか
清宮 はい。まず(プロに)なれるかわからないであれですが、自分を本当に厳しく指導していただいて、成長させていただける球団に行きたいと思っています。
―理想していている選手はいますか
清宮 やはり、早実の先輩である王貞治さん。ずっとお会いをしたり、昔のプレーを見たりして、憧れを持って野球をやってきたので、いずれは868本を目指せるような選手になりたいと自分でも思っています。
―将来のメジャー挑戦については
清宮 自分の夢は変わっていないので、プロの世界でも1つ1つ目の前の目標をクリアしていくことで、先につながっていくと自分でも確信があるので。夢はもちろんそうなんですけど、1つ1つ目の前のことを一生懸命取り組んでいければなと思っています。
―どのような経験がプロ入りにつながりましたか
清宮 やはり2回ジャパンに選ばせていただいたことであったり、甲子園に出場したことであったり、あとはホームランの数を更新することができたというところかなと思っています。
―中学生のころホームラン王になりたいと言っていましたが、その気持ちに変わりはありますか
清宮 自分の夢はもちろん変わっていないので、それも自分の中の1つの夢というか目標にはなっています。
―プロ入りの決め手となった人や出来事はありますか
清宮 高校野球を始めてから、1つ1ついろいろなステージを踏むことによって、プロの世界も見えてきたというか。この3年間が出来事と言ってしまうとあれですが、3年間が大きな決め手でした。
―将来の青写真はどのようなものですか
清宮 自分の夢はメジャーで活躍するということですけど、それでもやっぱりプロの世界は厳しいので、簡単にそういうことは口には出来ないと自分でも思っているんですけど、それでもやはり日本でずば抜けるような活躍がしたいというか、本当にプロ野球で活躍するということが小さいころから憧れていたことなので。将来のことを考えるといろいろ大きなことが言えるんですが、それよりも目の前のことを1つ1つこなしていくということなので。青写真ということではすごく大きなものはあるんですが、目の前のことを1つ1つしっかり自分の中でクリアしていければと思います。
―プロになっても貫いていきたいものはありますか
清宮 結果が出なくて苦しむ時期とかもあるかもしれないんですけれど、それでも自分のやってきたことというか、トレーニングもそうですし、バッティングのスタイルもそうですし、これからたくさんの指導があると思うんですけど、しっかり今までの高校生活でも自分を信じてトレーニングやバッティングをいろいろやってきたので、自分が正しいと思うことを、いろんなことで左右されずにしっかり貫いていければなと思っています。
―どういった成績を残してメジャーに挑戦したいですか
清宮 そうですね、あまり具体的なことは考えていなかったんですが、ホームラン王になるということを言いましたけど、そこは自分が目指すべき目標なのかなと思います。
―王さんの868本について思いはありますか
清宮 早稲田の先輩ですし、むしろ目指さなくてはいけないという使命感もあるというか。やるからには王さんのような人間にもなりたいですし、野球人にもなりたいなと思っています。
―学生生活、残り半年ですがやり残したことはありますか
清宮 そろそろ文化祭が始まるので、文化祭に向けてみんなで頑張っています。みんなで劇やります。役は内緒で(笑)
―プロを目指した理由は
清宮 やはり野球に集中できるというか、自分の夢は大学行くにしろ、プロに行くにしろ、プロ野球選手だったので、野球に一番集中できる環境を選びたいということで、プロを選びました。
◆清宮幸太郎(きよみや・こうたろう)1999年5月25日、東京都新宿区出身。小学生時、オール麻布で野球を始め、中学で所属した調布シニアでは全国優勝。アメリカで行われたリトルリーグ世界選手権でも活躍し、優勝に貢献した。早稲田実業進学後は、1年生時から3番として活躍。2017年に行われたU-18野球W杯で、高校通算108号を放ちこれまでの記録、107号を更新。その後も打ち続け111号まで伸ばした。右投げ左打ち。
(C)AbemaTV