
10月1日のKrush後楽園ホール大会では、ダブルメインイベントで2つのタイトルマッチが行なわれ、その両方で新チャンピオンが誕生した。
-60kgのベルトを巻いたのは郷州征宜。-58kgでは小澤海斗を下し、西京春馬が王者となった。西京は1998年生まれの19歳。今年6月、K-1のリングで小澤に勝っており、今回はベルトをかけての再戦だ。西京としては、この状況に引っ張り出したとも言える。
試合は神経戦のような展開に。お互いローキックで体力を削り合いながらも、パンチの距離には簡単に踏み込めない。パンチが出ても、ラッシュするまでには至らない。緊張感のある、選手にとって隙を見せられない闘い。西京は「1、2ラウンドは思ったようにできました」と語っているから、西京のペースだったと言えるのかもしれない。実際、小澤は得意とする接近戦でのパンチ連打を封じられている。
試合が大きく動いたのは2ラウンド。遠い間合いからの左ストレートで小澤の腰が落ち、レフェリーがダウンを宣告する。最終3ラウンドには小澤が猛反撃を見せたが、逆転はならなかった。西京の判定勝利だ。
「成人式の前にベルトを巻きたかった」と西京は言う。「高校も卒業できればいいっていう程度で格闘技にかけてきて、卒業後もみんなが大学に行ったり専門学校に行ってる中で、僕だけ格闘技一本の道を選んだんです。先生にも心配かけたし、こうして結果が出てよかった」西京にとって、チャンピオンベルトは自分の“進路”選びが間違っていないことを証明するものだったのだ。「ここからがスタート」と言うように、西京にはチャンピオンとしてスターになっていくことが期待される。
今回は「ダウンを取ってリードしたことで、3ラウンドに気持ちが落ちてしまった」とも。Krushでは最後まで貪欲に倒しにいくことが求められるし、西京自身もそれを狙っていたから満足はしていない。
これからどう成長していくか。技術と試合運びのうまさに迫力も伴ってくるのか。新陳代謝が激しく、若い選手が次々と台頭してくるKrushにおいては、西京もチャンピオンであると同時に“成長株”なのだろう。
文・橋本宗洋
「Krush.81 10.1 後楽園ホール 濃縮編集版」は10月2日(月)21:00~AbemaTVで放送
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