11月23日のK-1さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ大会ではヘビー級トーナメントが開催されるが、ワンマッチでも豪華カードがラインナップされた。
(階級転向を「殴り込み」と表現した城戸はこの出で立ちで会見に登場)
10月3日の記者会見で発表されたカードの一つは、城戸康裕vs木村“フィリップ”ミノルという予想外のカード。この人気選手同士の顔合わせは、前回の試合から木村が-67.5kgのウェルター級に階級を上げ、城戸か今回、スーパー・ウェルター級(-70kg)から下げてきたことで実現した。
スーパー・ウェルター級トーナメント決勝でチンギス・アラゾフに敗れた城戸は、その日のうちに階級を下げることを決意したそうだ。曰く「チンギスは重すぎ。チンギスに勝つための練習するなら体重落としたほうがいいなって」。
もちろんその目的はK-1のチャンピオンになることであり、体重を軽くしたことで「練習してても動きがいいんですよ。これまで階級間違えてたんじゃないかっていうくらい」とも。もともとK-1 MAX出場のため70kgにしていたが、通常体重は軽いため減量も問題ないそうだ。
(11.23さいたま大会では武居由樹vsビクトー・サラビア、小宮山工介vsスタウロス・エグザコスティディスなど注目カードが続々決定)
一方、Krushでの-63kgからK-1で-65kg、現在は-67.5kgと階級を上げてきたのが木村だ。「まさか試合するとは」という城戸とは対照的に「やることになるとリアルに考えたことはなかったですけど、こういうことがあるのがK-1。やったら昂ぶる試合になると思ってたし、ヘタしたら小学生くらいから見てきた選手とやれるんだから幸せです」と言う。
旧知の仲だけに会見はなごやかな雰囲気だったものの、城戸は階級転向を「殴り込み」と表現。また木村も「自分も殴り込みくらいの気持ちでいかないと勝てない。かまします」と力強く語った。
前回の試合では元同門の久保優太と対戦した木村。「負けたのは悔しいけど、あれを経験したのとしてないのとでは選手としての成長度合いが違う」と今後への手応えを感じたようだ。城戸との対戦を光栄だとしながらも、自身もK-1のベルトを目指すだけに「一歩も引く気はない。久保選手とやった時以上の挑戦になる。気が引き締まりました」と言うコメントも残した。
この一戦、夢のあるマッチメイクとも言えるが、同時にタイトル戦線のサバイバルをかけた闘いでもある。どちらの意味でもK-1らしい勝負と言えるだろう。ロー、ヒザなど蹴り技を使いこなす城戸と、当たれば必殺のパンチを持つ木村。対照的なファイトスタイルの激突という意味でも、目が離せない。
文・橋本宗洋
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