■「より一層厳しい眼差しが注がれる」
会見で安倍総理は公明党の山口那津男代表との党首会談で連立継続を確認したことを報告、「より一層厳しい眼差しが注がれる、そのことを全ての議員が強く意識しなければならない、真摯な政権運営に全力を尽くさなければならない」とした。
記者からは、公約の柱に据えた憲法改正に関する質問が集中。今年5月に"2020年までの施行を目指す"としたことについては「これまでも申し上げているとおり、スケジュールありきではない。基本的な考え方に添って具体的案について党内で検討・議論を深め、自民党としての案を国会の憲法審査会に提案したいと考えている。その上で国会における議論、国民的な理解を深めていきたい。(改憲に前向きとされる)希望の党はもちろんのこと、与党だけではなく、野党も含め幅広い合意を形成するよう努力しなければならない」と述べた。
その一方、選挙期間中の街頭演説で憲法改正に触れることが少なかったのではないかとの指摘を受けると、「演説で述べるのは当然と思うが、衆議院で多数を穫れば成立するものではなく、国会で発議し、決めるのは国民投票」とした上で「限られた時間の中で、その地域の中で生活に密着した政策を述べるものであり、お越しいただいた若い皆さん、小さいお子さんを連れたたくさんのお父さん、お母さんにとっては、まず日本の将来、少子化をどう乗り越え、どう具体的に実行するのか。地方をどう活性化させていくのか、また、被災地においてはこれからどのように復興を加速していくのかを聞きたいのだろうと思います。それに答えるのが責務」と説明した。
■森友・加計学園問題「丁寧に説明させていただいた」
また、「今回の選挙の結果は、森友・加計学園問題に関する説明への理解が得られたものと思うか」との質問も出た。
これについて安倍総理は「この問題については、私も予算委員会あるいは閉会中審査において相当時間かけて丁寧に質問にお答えさせていただいた。その中で、前川前次官も含め、私から依頼された・指示を受けたという人は一人もいなかったことは明確に明らかになった。そして特区のプロセスを進めてこられた民間議員の皆さんも"プロセスには一点の曇りもない"と述べておられた。また、ずっと獣医学部新設に信念を持って努力され、ドアを叩き続けてこられた加戸前愛媛県知事も"行政が歪められたのではなく、歪められた行政を正したのである"と明確に述べた。こうした、あまり報道されなかった部分も含め、国会審議を全部ご覧になった方にはかなり理解を頂けたものと思う。テレビ討論会、記者クラブ討論会において、私にこの問題に質問が集中しが、丁寧に説明させて頂いたし、一部のテレビ局においては他の政策論議よりも大変多くの時間を割いてこの質問を頂いたと承知している。その度に丁寧にお答えした。国会で質問いただければ丁寧に答えていきたい」と回答。
さらに世論調査で内閣・自民党の不支持率が支持率を上回っていることを問われると、「私や自由民主党に大変厳しい目が向けられている中で、今まで以上に謙虚で真摯な政権運営に務めなければいけないと思っている。頂いた大きな勝利に対して謙虚に向き合っていき、お約束したことをひとつひとつ実行していかなければならない。"できることしか言わない"、このことを矜持としてきた。しっかり結果を出して生きたい」とした。(AbemaNews)