11月3日のプロレスリングBASARA・新木場1st RING大会で「最初で最後」のシングルマッチが組まれた。団体の代表にしてユニオンMAX王者・木高イサミとダイスケの激突だ。

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(ダイスケのレスリングはクラシカルかつ退屈さとは無縁だ)

ダイスケは2004年に旗揚げされた団体・ガッツワールドを支えてきた主力選手。同団体の13周年記念となる、12月2日の新木場大会で引退することを発表している。リングを退く理由は腰とヒザの負傷。ごまかしながらであれば続けられるものの「自分らしい試合ができるうちに区切りをつけたい」と本人が決意した。

これまで何度もチャンピオンベルトを巻き、その実力と存在感、貢献度で“永遠エース”とも呼ばれるダイスケ。メジャーな存在ではないが、インディープロレスを知るコアなファンからは絶大な支持を得てきた。現在は「引退ロード」として思い入れの深い相手と対戦、他団体にも積極的に登場している。その中で、今回のBASARA参戦も決まった。

イサミはダイスケとは過去のシングル対戦なし。しかしガッツワールドに参戦した経験から、実力を認めていたということだろう。

偏見を持たれやすい学生プロレス出身のダイスケ(ガッツワールド自体、学生プロレス出身者たちで作った団体)だが、そのファイトスタイルは基礎を重視する正攻法なものだ。フィニッシュはスライディングD(エルボー)、大技はスプラッシュ(ボディプレス)にドラゴンスープレックスと、ことさらに派手というわけではない。腕攻め、足攻めといった基本的な攻撃のバリエーションで観客を魅了することができるレスラーなのだ。2014年には、吉野達彦と60分フルタイムの名勝負を残している。

今年10月には引退ロードでミスター雁之助と対戦。30分のロングマッチ、その大半がグラウンドという渋い展開ながら、緊張感と互いの豊富なテクニックでまったく飽きさせなかった。足4の字やリバース・インディアン・デスロックといった基本技が、いつ試合を終わらせてもおかしくない必殺技に見えるのだ。

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(ホームリングに引退間近のダイスケを招いたイサミ。どんなメッセージを伝えるのか)

そんなダイスケと闘うイサミは、血だるまのデスマッチからコミカルな試合までこなす超オールラウンダー。ダイスケがガッツワールドのキャッチフレーズ“武骨”を絵に描いたような選手なら、イサミ率いるBASARAのモットーは自由に暴れること。その中で「俺が一番自由に楽しむ」とイサミは言う。

個性は違うが、プロレスを自分ならではのスタンスで味わい尽くそうとしている2人。11.3BASARA新木場大会では、イサミとダイスケにしか作ることのできない世界が見られるはずだ。

文・橋本宗洋

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