11月11日(土・現地時間)中国・河北体育館で開催される韓国の総合格闘技団体「Xiaomi ROAD FC 044」に藤田和之が参戦する。昨年の「RIZIN」での把瑠都戦で現役を退くかにみえた47歳の藤田だが「自身の闘争本能やモチベーションが続く限り戦いたい」という気持ちになり現役を続行を決断した。
「まだやり残していることがある。色々ありましたけど“もう一回上がりたいな”という気持ちと体のコンディションが一致したときにそういう気持ちになりました」と引退の二文字は口にしていない、あくまで一区切りというのが「RIZIN」での藤田の一連の引退騒動だが、そんななか「もう一つやり残した事」というのが「ケージというステージ」だという。これだけのキャリアを持つ藤田だが、金網に囲まれたリング=ケージでの試合は実は今回の「ROAD FC」がはじめてだという。
いわゆるケージ対策も一切考えてなく「その場で自分が得たものが身につくと思う」という発言からは、藤田が本格的にキャリア晩年にケージという新たな戦いの場に腰を据えて挑む決意が感じられる。
都会の喧騒を離れ海に身を委ねるようにトレーニングの場を選び、継承した「イノキイズム」を象徴する闘魂棒トレーニングや海岸に漂流するロープを使い筋力を強化する。よりナチュラルな方法で野獣はその戦いに新たな気持で今回は臨んでいる。「興奮もそうだけど恐怖心もある入り混じった感じが最高なのがMMA」と語りモチベーションは最高潮だ。
藤田と対戦する中国のアオルコロは、ROAD FCや中国のリングを主戦場に戦う巨漢ファイター。身長187,96センチ、体重159キロという規格外の肉体に、波打つお腹が特徴で中国憲法や散打ベースの戦い方から「カンフー・パンダ」との異名でも知られる。
過去の戦績でもボブ・サップをわずか36秒瞬殺、チェ・ホンマンにもがむしゃらにパンチを打ち続け、日本人の川口雄介や増田裕介をTKOとおっとりとした見た目以上に打撃で仕留める能力に長けた選手だ。藤田も対面した印象を「とても大きな若者。手を握った瞬間、彼は瞬発系だとわかりました」とベテランの鋭い勘から読み取ったようだ。
アオルコロからも日本を代表するレジェンド藤田戦の勝利でアジアでのヘビー級選手としての箔をつけようと意図も透けて見えるが、藤田も今までにない非常に高いモチベーションでこの試合に臨むことだろう。
今回の「ROAD FC」での復帰戦の後には、日本で「HEAT 41」に参戦が控えている。47歳の野獣、最後の覚醒に注目したい。