南北軍事境界線の板門店で、北朝鮮兵士が国境を越えて韓国に亡命を試みた。毎年1000人以上が脱北する北朝鮮。その全容は未だ謎のベールに包まれているが、その実情を知るのも脱北者たちだ。
 現在、韓国のソウルに暮らしている金柱精さんは、8年前に脱北した。日本で生まれた金さんは、1970年代の「帰還事業」で、幼少期に祖父と共に当時"地上の楽園"と謳われた北朝鮮へ渡った。しかし金さんたち家族を待っていた現実は、それとは程遠いものだった。