さる9月18日に開催された『K-1 WORLD GP 2017 JAPAN~初代ウェルター級王座決定トーナメント~』にて、久保優太選手と対戦。3R判定負けをしたが、その試合をきっかけに、大きな心境の変化があったとのこと。11月23日、『K-1 WORLD GP 2017 JAPAN~初代ヘビー級王座決定トーナメント~』にてキャリア最大の挑戦に向かう木村”フィリップ”ミノルに直撃した。
――K-1 WORLD GP 2017 JAPAN~初代ウェルター級トーナメント、お疲れ様でした!
ミノル:トーナメントの方は逃してしまったんですけども、負けたとは1ミリも思ってないす(笑)
――本当に良い試合で、見ていて泣きました!試合が終わってから、心境の変化はありましたか?
ミノル:負けた直後って、素直に結果を認めることが多いし、「人間的に弱かったんだろうな」とか反省することもあるんです。でも今回は自分でもビックリするくらい「負けてない!」っていう思いが強くて。それは試合を何回見ても思いますね。「もちろん負けてた所もあるけど…(トータルで見たら)勝ちだろ!?」みたいな。こういう気持ちってカッコ悪いものだと思ってたんですが・・・。まあ僕が認めない限り負けじゃないってのはあると思うんです。
――試合結果というよりは、もっと大きな意味での勝敗ということですよね。
ミノル:そうですね。まあ僕は次も戦わなきゃいけないわけですから。「あの試合は負けだった」なんて思いながら頑張るより、「俺のが強い」って思いながらやったほうが力が出るじゃないですか?
――次の試合に向けてマインドセットを上手く作ることが出来てるようですね。
ミノル:そう!マインドセット完了です(笑)
――トレーニングの方はいかがですか?
ミノル:メンタルが疲れてしまうことがないように、意識的に休んで行こうかなとも思ってたんですが、11/23に試合が決まってしまったので。まあでも、ちょっと休んで最近スタートした感じですね。それこそちゃんとやったのは先週くらいから。次の対戦は相手も強いですし。
――かなり試合間隔が短いですよね。
ミノル:そうですね。しかも相手は城戸(康裕)選手。元々は70キロの選手で、階級を下げてきた形なので楽しみです。実は僕、もう少し先の大会に出る予定だったんですよ。ただ、城戸選手が階級を下げるにあたって、なかなか対戦相手が決まらなかった。まあ元々67キロでやっている選手からしたら、ほぼ勝ち目がないと言って良いくらい強い人なので仕方がない。そんな中、試合が終わって間もない頃でしたが、プロデューサーから「出来るか?」って言われまして。
――ちょっと躊躇しますよね?
ミノル:いえ!2秒で「やる」って返事しました(キッパリ)
――マジカッコいい・・・漢だなあ。
ミノル:一瞬でLINEに既読つけて「やります!」って。と、いうのも僕はデビュー以来相手を選んだことがないんです。それって僕的には普通のことなんですよね。でも実は皆さん割と相手を選んでいるらしいんですよね(ニコニコ)。「え・・・そんなシステムが導入されてたんですか・・・?」みたいな感じで結構ビックリしましたね(ニコニコ)。僕は「ボスであるプロデューサーに言われたら向かってくだけ」と思ってたので(ニコニコ)。
――いい笑顔ですね(笑)。ところで体の方は万全ですか?
ミノル:はい!試合後もグッドシェイプを保っていたので良い感じですね。
――これはお世辞でもなんでもなく、K-1も木村選手を中心に回り始めてるところがありますよね。相手を選ばないのは本当にカッコイイです。「いつ何時、誰の挑戦でも受ける!」みたいな。ホント男心をくすぐりますよ!
ミノル:良いか悪いかは分かんないですけどね(笑)
――試合に対するモチベーションを伺いたいです。城戸選手が相手ですが如何ですか?
ミノル:相手はデカいということもあり、僕はチャレンジャーだと思っています。なので、まずは楽しむ。この間の試合を経て、自分の中で色んなことを感じました。成長出来たように思います。一人の人間として、これまで以上に格闘技を好きになることが出来た。正直言って、今まではリング上は怖いところだと感じていました。でも、最近「僕は死ぬまでリングの上にいる人間なんだ」って思えたんです。
――以前、木村さんは「試合は殺し合いだ」とおっしゃってました。
ミノル:これからは殺し合いを楽しもう、と(笑)
――そこは全然ブレてないんですね。では最後に読者にメッセージをいただけますか?
ミノル:今までの僕は30代の中盤、一番良い時期に、かっこいいまま選手を辞めようと思っていたんです。でも僕は勝ったり負けたりしている。辛いこともあった。で「今の僕にしか出来ないことってなんだろう」って考えたんです。
「くたばるまでリングの上にいてやるぞ」と思いましたね。
僕は仮に生まれ変わったとしても格闘技をやると思います。で、来世では無敗街道を進むとして(笑)、でも今回の人生は踏んだり蹴ったりの格闘技人生でもいいじゃないかと思えるようになったんです。今までも僕は「やるかやられるか」というスタイルでした。でも今回はそれ以上の面白い試合を見せられると思います。より覚悟が決まった僕の姿を見て欲しいですね。