11月23日のさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ大会で、新生K-1初のヘビー級王座決定トーナメントが開催された。
1回戦に勝利した日本人選手が上原誠だけという厳しい結果ではあったが、内容は充実。なんと1回戦から準決勝までの6試合が1ラウンドKO決着という壮絶な打撃戦だった。
そんなトーナメントを勝ち上がったのがアントニオ・プラチバットとイブラヒム・エル・ボウニ。初参戦のプラチバットは1回戦でローキックとボディブローでK-JeeをKO。準決勝では上原をハイキックと飛びヒザ蹴りでダウンさせてKOと多彩なテクニックを披露していった。
逆ブロックから決勝に上がってきたエル・ボウニは1回戦でKOICHIをワンパンチKO、準決勝のロエル・マナート戦もパンチで2度のダウンを奪いKOと迫力あるパンチで勝利を重ねた。
決勝戦は熾烈なペースの奪い合い。一発の迫力ではエル・ボウニだが、プラチバットも的確に攻撃を重ねていく。2ラウンドからはプラチバットの攻撃が功を奏し、ダメージの見えるエル・ボウニが防戦に回る場面が目立つ。ダウン寸前に追い込まれることも。そのまま最後まで攻め続けたプラチバットが判定で勝利し、新生K-1で初のヘビー級王者となった。
プラチバットは伝説のファイターであるブランコ・シカティックの愛弟子。シカティックは第1回K-1 GPの優勝者だ。当時、日本では無名だったシカティックが凄まじい強さで優勝するという劇的な結末が、K-1の魅力を世に広める原動力の一つともなった。
そして新生K-1では、シカティックが「後継者」だというプラチバットが優勝。歴史のドラマを感じさせる結果となった。新生K-1のヘビー級戦線はここからが本格スタート。プラチバットを中心にどんな闘いが展開されていくか、そして日本人の逆襲があるのかどうかも気になるところだ。