将棋界において最も有名な姉妹といえば、里見香奈女流五冠とその妹・咲紀女流初段だ。女流棋戦6タイトルのうち5つを保持する最強女流棋士を姉について、咲紀女流初段は「比べられて落ち込むこともあるけれど、単純に尊敬、憧れがあります」と口にした。そんな里見姉妹の関係は、性格としては兄と妹のような関係だという。
穏やかににこにこと笑って話す咲紀女流初段からすると、香奈女流五冠は「家にいる時はお姉ちゃんというより、お兄ちゃんですね。しゃべり方までお兄ちゃん」に見えている。話はおもしろく、仲もいい。ただ「女の子らしさとかは、ないんです」と話すと、さらに笑みが増した。「私と性格が真逆すぎて、むしろ歩調が合うといいますか、すごく和むんですよね。久し振りに会っても落ち着くし、すごくいい存在です」と、姉妹とは少し違う関係でもうまく付き合えている。
咲紀女流初段が、本格的に将棋の道に進んだのも、姉の影響は大きかった。「中学生の時に大会に出て、その時に初めてお姉ちゃん以外の人に負けたんです。それで衝撃を受けて、勝ちたいと思うようになりました」。学生時代とはいえ、最強女流棋士が幼少期から強かったであろうことは、容易に想像がつく。当然、妹は他の女性より強くても、里見家の中では負け続けただろう。だからこそ、姉レベルで強い女性に負けた時に、衝撃を受けることになった。
女流プロになってからは、姉の背を追いかけながら順調な日々を送る咲紀女流初段。 AbemaTV「花の三番勝負 白黒はっきりつけましょう」の第3局にも登場する。トップに君臨する姉に追いつき、最強姉妹の頂上決戦ともなれば、将棋界は羽生善治「永世七冠」誕生や、中学生棋士・藤井聡太四段の快進撃とは違った、華やかな雰囲気で盛り上がる。
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